感想
扉絵
扉絵にはコナンとキッド候補の三人。
仕掛け
23時1分。
怪盗キッドが予告した0時まで1時間を切ったところで、誰も展示ケースに近づけない状態に。
壁から約1m内側に筋が入っていて、万が一ケースに触れた後天井が落下してもその範囲外には影響なし。
範囲外には休憩用のベンチが固定設置されていて、天井を噛ませたりはできないらしい。
安室と風見
風見と安室(降谷)の二人は中森警部から転送してもらった警備体制の確認。
風見はよく練られた配置で特に問題はないと考えているが、安室の方は常人相手ならこれで十分だろうが、変装の達人であるキッドでは一筋縄ではいかないと考えているもよう。
突然、
「よし! 君の役目はここまでだ! 帰っていいぞ!」
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と安室から通告。
「えーっ! 最後まで居させてくださいよ! 気になるじゃないですか!!」
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と風見は狼狽。
揉めている(?)二人の様子を見て「ん? どうかしたか公安…」と口を挟む中森警部に対し「あ、いえ…」とクールに振る舞おうとする風見が面白いです。
FILE1051「不気味な牧場」でのやりとりもそうでしたが、公安の二人は馬が合うのか合わないのかよくわからない。
真面目な二人がお互いマイペースゆえに噛み合ってない感があって面白いのかな。
なんかツボにハマります。
しれっと館内の警備体制を見て確認することになっていましたが、安室には狙いがあるのか。
キッドの変装要員になってしまうから風見を帰そうとしたのか、それとも深い意味はないのでしょうか。
この警備体制でもよしと風見が思ったところで、安室の指示には従うだろうし、わざわざ風見を遠ざける理由が変装要員以外になさそう。
警備体制を確認したかったのならいい誘導だったのかな?
腹の中が読めないんですよね。
手分けして二人で見て回ることになったようです。
キッドファン
ポアロの常連客である中森警部に頼み込んで展示室にやってきたのはどうやら園子に感化されてキッドの大ファンになったようです。
しかも「月下の給仕人」という名前でブログを運営しているらしい。
突然の告白に戸惑い、コナンは怪しんでいます。
前回、女性陣はキッドに変装されないために別室のモニターで様子を確認するという話でしたが、端っこにいたらOKと許可を貰えたようです。
予告1分前
予告時間の1分前となったので、ガスマスクを装着してキッドに備えることになったコナン、次郎吉、警官一同。
尚、今回突然参加した形の安室たち三人の分のガスマスクの予備はありませんでした。
いよいよ
予告の0時過ぎ、白いモヤが立ち込め始めます。
どうやら空調から白い塗料を噴霧されているようで、展示室は白い煙で充満し、視界は不良。
中森警部の指示で、ガスマスクをつけていない3人は一旦展示室の外へ避難。
空調は元に戻ったものの、ティアラの展示ケースの上には怪盗キッドからのカードが。
「王妃の前髪は頂戴した! 怪盗キッド」
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「カードだけ置いて盗んだフリをしているだけかもしれない」というコナンの発言で、一旦仕掛けの電源を切って中森警部が展示ケースの中を確かめようとするのですが、安室から待ったの声が掛かります。
もしもキッドが中森警部に扮していた場合、どさくさに紛れてティアラを盗むのではないかと指摘。
コナンが展示ケースの中を確認することに。
椅子の上に乗ったコナンが展示ケースの蓋を開けると、中からはティアラが消えていました。
その様子を別室で見ていた女性陣二人は眠くなったから帰ると話していたのに展示室にいることに驚きます。
推理
どうやら天井の仕掛けを調整するために多くの整備士が出入りしていたようで、キッドがその中に紛れて空調に仕掛けを施していた可能性が浮上。
犯行時にガスマスクを装着していた次郎吉と中森警部は変装が崩れてしまうため、キッドがなりすましている可能性はなくなりました。
したがって、キッドが変装していたとしたら予定外に居合わせた安室たち3人の内の誰かということに。
コナンは早速、3人に話を聞いてみることにしました。
まずは安室にポアロの新メニューについて探りを入れてみます。
安室曰く、新メニューは「カルボナーラ」とのこと。
自分以外にも話を聞いてみるといいと安室から助言をもらったコナンは新メニューについてさらに証言を得ることに。
詳しい名称は「炭焼きなんとか」だと確認。
メニューを考えたのはポアロのマスターで、変な長い名前だが不明確。
おそらく新メニューは「炭焼き風スパゲッティ(スパゲッティ・アッラ・カルボナーラ)」だと思います。
あるいは「炭焼き風卵とベーコンのパスタ」とか。
変と言われているのでもっとわかりづらい名前かもしれませんが、とにかくカルボナーラのメニューをリニューアルしたもの。
安室が新メニューを聞かれてとっさに嘘をつく理由はなく、カルボナーラと簡単に説明したのみ。
一方、正式名称を忘れてしまったが、マスターから意味を聞いていたのでそちらを思い出してとっさに話したのではないでしょうか。
続いて、コナンは「どうして博物館に来たのか」とカマをかけて「エアコンを取り替えるためにポアロが臨時休業になった」ことを再度確認。
安室の元にはマスターから連絡があったらしく、お店は翌日には稼働できるとのこと。
キッドは博物館の列に並んでいた時に一同の話を聞いていた可能性があり、エアコンの話をしてもおかしくはないとコナンは考えている様子。
コナンは風見に話しかけるのですが「本名で呼ばないでくれ」と言われてしまいます。
「非番である今日は何をしていたのか」という質問に答えるのを嫌がる風見。
安室は「公安の人間は己の内情をペラペラ話してはならない」とコナンを諭します。
「それで? 例の現場はどうだったんだ?」
「あ、いえ…特に目立った動きは…」
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安室と風見のやりとりを見ていたコナンは展示場の写真を見せてくれないかと風見に頼みました。
またしても嫌がる風見の代わりに安室が情報を転送してもらった自分のスマホをコナンに見せてくれました。
安室から受け取ったスマホの展示室に固定されたベンチの写真が目に留まります。
何かわかったかと尋ねた安室に対し「なーんにも…」と答えるコナン。
安室にスマホを返却する際に、白い塗料が手についていることに気がつきます。
どこかで塗料に触れたようで、3人とも手に塗料が付着していました。
3人の手を見て誰がキッドが確信したコナン。
昼間、キッドがコナンを挑発したことも盗みのトリックと関係があるようです。
次号(36・37合併号)で解決編。
ベンチと塗料
前回の時点で、展示室の左右と奥に固定された三つのベンチの内、右手にある一つは脚が二重になっていました。
白い塗料が噴霧される前までは脚が二重になっているベンチが確かにあります。
写真に写っているのもおそらくそのベンチ。
しかし、コナンが写真と現状を見比べていたベンチは脚が一つ。
ベンチが固定されていることを逆手にとって、脚の部分は展示ケースを模したボックスをキッドが整備士に紛れた時に収納しておいて、塗料噴霧で辺りが真っ白になっている隙に箱を引き抜き、展示ケースの上に設置したのではないでしょうか。
手の内側に塗料がついている風見か安室のどちらかが展示ケースの上に仕掛けをした可能性が高い。
指の件がはっきりしないのですが、風見(キッド?)はマジシャンの習性として親指・人差し指・中指をよく使うから話の流れで小脇に抱えて云々の時にさりげなくスーツで拭ったとかかなぁ。
元は手のひら全体に塗料がついていたのでは。
まあ、全然しっくりこないのですが。
もっとまともな理由があると思います。
誰がキッドなのか
風見…ではないでしょうか。
本名で呼ばないで、と話していたのは風見の身分証(もしかしたら偽の名刺とかも?)を見つけたので立場上咄嗟に口走ってしまったのではないでしょうか。
あとは、安室の発言。
「それで? 例の現場(げんば)はどうだったんだ?」
「あ、いえ…特に目立った動きは…」
FILE1077
これはアイドルフェスのことを風見が話し出すかどうか見ていたのかもしれません。
コナンが非番だからどうしていたのか質問した流れを汲んで、現場=げんば(アイドルフェス)のことを風見が話すかどうか。
しかし、風見(キッド?)は「げんば」と言われたのに警察用語で言う「げんじょう」だと捉えて「特に目立った動きは…」と口走ったのかも。
二人は館内の警備体制を確認していましたが、それと誤認している可能性あり。
やはり、風見は館内の警備体制を確認するために二手に分かれた後でキッドにすり替わられてしまったと思われます。
コナンに自分のスマホを渡していることからも、安室は風見がキッドだと気がついているのではないでしょうか。
展示場の写真が頭に入っていた安室は現場を見てコナンより先にトリックは解けていたと思われます。
ガスマスクを外せる人物が変装対象にはあたらないことはコナンだけでなく過去に変装経験のある安室にも推測は可能。
だからまず中森が展示ケースに近づくのを止めた。
すると、風見が自分の意見に乗ってきた。
さらに同僚からもコナンに見て貰えばいいと助言があった。
しかし、新メニューを知っていて、疑う対象からは外れた。
風見の携帯はもしかすると安室が持っているのかもしれません。
風見にすり替わられることを見越して密かにスっているかも。
そう考えると風見がスマホをコナンに渡そうとしなかった(できなかった?)のも納得できます。
展開予想
展示ケースは蓋を開けると天井落下の仕掛けが作動するようになっています。
ティアラを現時点で盗んでいなければ身体検査もクリアできますし、その場は解散になった後に清掃業者になりすまし、仕掛けの電源が切られた状態でティアラを回収しようとしたところを展示室に待機していたコナンが現れる。
ティアラを持って逃げたキッドに対し、見取り図で博物館の構造を熟知していた安室がキッドの退路に待機。
目当ての宝石ではなかったのでティアラは返却され、結果的に女王のルートは変更がなく、風見は一安心。
しかし、風見に扮したキッドか風見本人のどちらかは安室にボコられそうになるのではないでしょうか。
あるいは、風見が携帯を返却されて「これでよく公安が務まるな…」と言われてしまうのかもしれません。
そこまで踏み込まなくても、携帯も取られずルート変更なしで一安心の風見、コナンと安室は「やれやれ…」くらいはやる可能性がありそうです。