感想
シリーズ第5話。
扉絵
組織が、蠢く——
FILE1107
黒田・若狭・ラムが関わった17年前の事件。その全貌が明らかになっていく。
FILE1107
ついに。例の遠見の角行の意味がわかるんですね。
扉絵のコナンは右目を押さえている。
これは若狭(浅香)のことを指しているのか。
それともラムのこと?
黒田が火傷を負ったのは17年前のこの事件がきっかけなのかどうか。
おそらく違うだろうけど。
密命
あれ?
前回読んだ時は悩んだ末に言葉通りと解釈していたんですが、やっぱり黒田は当時調査のために渡米していたそうです。
アマンダはFBIやCIAだけでなく公安とも接点が!?
これは意外でした。
公安側の一方的な調査かと思いましたが、本格的な会議の前の顔合わせ程度とのことで、アマンダから何らかの情報提供を受けていたのかな。
前回、17年前の回想でアマンダが話していた大富豪とは烏丸蓮耶のことで間違いないだろうし、組織の捜査に何か必要だったんだろうか。
といってもアマンダの口ぶり的にそれほど組織と接点があるわけでもなさそうでしたが。
FBIやCIAが動いていたことやイーサン・本堂が日本へ渡った時期から考えてみても30年前〜25年前くらいにアメリカと日本で組織が何らかの動きをしていたのを捜査していたと考えられます。
黒田はかかってくるはずの電話連絡がなかったことや暴漢(組織)に襲われたこともあって、フロントを通じてホテルの部屋へ踏み込んだようです。
組織の二人、拘束されてたのか。
そりゃそうだろうけど、組織というかラムは何か手を打つのかな。
それともあれでも鉄砲玉を想定しているのか。
やはりアマンダの口から烏丸蓮耶の名前が。
左目
おお。
やはり左目は特殊な能力があったのか。
早々にわかってよかったです。
瞬間記憶ってやつですね。
前回読んだ時の印象と概ね描写に相違なかったようです。
若い頃は両眼ともその能力を持っていた?
今と違って見た目は義眼ではないですよね。
事故で左目を失ったというのはどういう経緯なんだろう。
事件より後に負傷して義眼にはなったけど、それよりもずっと前に酷使しすぎて、すでに右眼だとその能力はほとんど失われていたってことかな?
結構厄介な代物だなぁ。
さらにアマンダの口から「今夜は日本の警察と貴方達を懲らしめる算段をしようと思っていたのに…」という発言が。
ラムと話しながらも腕時計を気にするアマンダ。
ラムの脅しにより、アマンダと浅香の関係は灰原と明美さんの関係に似ていることが明確になりました。
結構主観で前回の感想を書いていたんですが、まさか作中で脅しの手段として描写されるとは思いませんでした。
前回アマンダが浅香を逃がそうとしていたことはその予兆だったのか。
声帯模写が可能なベルモットにより組織から出し抜かれてしまったアマンダ。
しかし、浅香を死なせたくないあまりなのか、アマンダはラムが用意していたAPTX4869を自ら口にしてしまいます。
ラム、油断したな。
守るものがある人は強いですよねぇ。
コナン界に出てくる女性キャラは魅力的な人物が多すぎる。
組織の脅迫に屈しなかったのはアマンダ自身の矜持と浅香を取引に巻き込みたくなかったということだと思われます。
浅香の性格を考慮すれば、自身を組織の思うままにさせるわけがないと懸念したのだろうか。
そうでなくても結局人質扱いだと浅香の人生を棒に振りかねない組織の取引には応じられなかったでしょう。
浅香の父親への恩があるアマンダとしては娘のように想っていた浅香は文字通り死んでも守らなければならない存在に違いないですし。
それにしても、ラムはアマンダから何の協力を得ようとしていたんだろう。
単に組織の秘密というか脅されていたことをバラされたくないだけだったのか?
大統領選出馬が目されているアマンダがFBIやCIAとのつながりがあることが組織にとって脅威だったからなのかな。
かねてより度々脅迫していたことを踏まえるとこれ以上力を持たれると困るという意図な気はします。
コードネーム
「RUM」というのは長年仕えた父から受け継いだコードネームだそうです。
前回の予想がさらに覆った!
なるほどな。
世襲もありなのか。
まあ、宮野家を踏まえるとコードネーム云々はともかく縁故は別に不思議ではないかも。
ちょっと気になったのは「何でもフォトグラフィックメモリーの類とか…」という自身に対してなのに他人事というか人から説明を受けたという雰囲気のセリフなのが気になる。
単に、診断を受けたという意味でいいのか、それとも誰か(烏丸)が意図してラムがそういった能力を持つように生まれるように仕向けたのか。
前回の感想でちょっとふざけたことを書いたのですが、デザイナーベビーの線もなくはないのかなと思えてきました。
いくらコードネームが襲名性とはいえ、親子だからといって何の能力もない子供を重視して組織に引き入れたりはしないでしょうから。
少なくとも組織入りする前から妊娠していたエレーナと宮野厚司の子供である明美と志保についてはその点無関係ですが、物心つくより前に組織によって留学させられていた灰原(シェリー)の存在を踏まえても、ラム自身似たような立場だったと考えた方が良さそうですね。
とはいえ、ラムが幼少期から組織にいたのはかなり意外でした。
あらためて、組織が年齢問わず能力重視であることが確実に。
ラムがNo.2の位置に収まったのもその特殊な能力を買われたのであれば納得。
17年前の事件後、のちに両目とも能力が衰えても、烏丸からの信頼が失墜しなかったのはラムの能力を隠す意味でもNo.2に据えたままにしたかったのかな?
今後はよくわかりませんが。
なんとなくラムの立ち位置が揺らぎ始めたのかなって気がしないでもない。
浅香と羽田浩司
前回の印象もそうでしたが、若かりし浅香は現在のような洞察力は持ち合わせていないもよう。
それだけアマンダに気を許していたとも言えるのかな。
一般人にしてはさすが四冠王というべきなのか、飲み込みの早い羽田浩司。
アマンダが羽田浩司のファンだというのはやっぱり世間で有名だったんですね。
とりあえず一芝居打って組織(ラム)をやり過ごした羽田浩司。
それにまさか羽田浩司が護身用のスタンガンを持っていたとは。
海外だから一応用心していたってことなのかな。
そういえば世間に公表されていないだけで、彼は資産家の御曹司ですもんね。
お付きの人はいないのかもしれませんが、有名人だしさすがに護身用で持っていてもおかしくはないか。
でも普段は日本で暮らす棋士なので物騒なこととは無縁そうです。
浅香によると、どうやらアマンダの周囲の人間の家族を殺すと脅して何人も辞めさせていたらしい。
しかも実際に殺された人もいたそうで。浅香自身も父親を亡くしていますしね。経緯に組織が関係しているかは定かではありませんが。
あのトランクに入った人たちどうなったんだろう……。
組織の研究所にはガス室があったようだし、普通に考えたらあの世行きだよなぁ。
アマンダの思い切りの良さはすごいな。
羽田浩司もすごいかも。
浅香とはほぼ接点なかったのに。タイプだっただけでここまで漢張れる!?
根っからの正義漢というか、お人よしなんだろうな。
ここまでされたら浅香も組織に復讐したくなるわな。
ほぼ初対面みたいなもので、それなのに命懸けで助けてくれたわけですし。
それはそうと。
「それでも僕を殺すというんですか?」の予想も全く違いました。
接点のない組織が自分を殺すというのかという疑問だったようです。
なるほどな。
今の若狭と過去の浅香の印象が異なるので、これはまったく予想外でした。
「僕のとっておきの御守りをあなたに託しますから…。「遠見の角に好手あり」ってね! これを持っていれば敵に見つかりにくいし…ずっと睨みを利かせていれば…いつか反撃も出来ますよ…」
FILE1107
なるほど。
こういうことだったのか。
こんな状況なのに本当に思い切りのいい人物だ……。
死を覚悟して浅香に託したのか。
そして浅香…現在の若狭留美の性格にこの遺言が大きな影響を与えていたってことですね。
若狭の抜け目のなさと迂闊な部分のギャップが気になっていたんですが(※ドジのふりではなく、駒を無くした時や右眼を押さえている時)元の性格とその後の警戒心と羽田浩司の遺言が起因していたとは。
駒を無くした時にあれほど焦っていた、義眼という言葉に強く反応し怒りを見せていたのはそういうことだったのか。
っていうか、キャンプ場で黒田に会った時は思い出せなかったのか?
由衣さん曰くですが、あれだけ人相変わってたら気づかないかも?
今シリーズのチェス大会の時ははっきりと覚えているようでしたが。
それともわかっていてアマンダをみすみす死なせてしまったのが理由で、またもや事件に遭遇した黒田を皮肉って話していただけ?
驚愕したような表情だったから思い出したのかも。
歩美ちゃんに話しかけられた時の様子を踏まえても対面した時点ですぐに思い出したと考えた方が自然かな。
一方、アマンダの部屋へ入りたい黒田はホテルの廊下で待機。
てっきりフロントを通じて入ったのかと思いきや、入れなかった模様。
セキュリティ頑丈なんですね……。
アメリカですし、そう簡単にはいかないか。
再び羽田浩司の部屋を訪れたラムと組織員たち。
とにかく怪しい。
組織のタイミングが絶妙だな。
黒田一人ではなく大勢で対応していたらアマンダは助かったかも。
まあ、ここまで大ごとになるとは予想していなかったんだろうけど。
羽田浩司はさきほどの芝居を貫き、日本語しかわからないふりをしたまま警察に通報するぞと意気込んでみせますが、ラムは室内の電話線を切って妨害電波で携帯は圏外になっているはずだと指摘。
ラムは一度目に部屋を訪れた際に見た一瞬で物の配置を記憶していました。
やっぱり厄介な能力!
過去には灰原や板倉が物の配置の変化に気づいていた描写がありましたが、それはあくまで本人の習慣に基づく勘。
ラムは赤の他人の物の配置を瞬間的に記憶しているため、あらゆる変化に気づいていることになる。
これ、灰原が映ったカメラ映像見つかったらやべぇ!
絶対顔知ってるじゃん。
元から灰原本人も組織は自分の幼少期の顔を知っていると言っていましたが、ピスコ編でジンが話していた時のように顔がわからないということはまずないだろうな。
過去に薬の話を聞かされていたりシェリーのデータベースがあったとはいえ、ピスコですらすぐに気づいていましたし。
明美さんのことも過去にぱっとプロフィール見ただけで覚えていた感じなのかな。
若狭が帝丹小に勤務していることを知って改めて調べたのか、元から知っていたのかそのあたりはわからないな。
ラムのこの能力を見ると、さすがのベルモットでもここまで模写できるのかは疑問。
ありえないとは思いますが、もしもそこまでできたらラムにとっては脅威ですよね。
基本的に声すら隠しているのも自分が周囲のことをわかる分、他人への警戒心が強すぎるのかもしれません。
まあ、警戒する相手は選んでいるようですが。常に声を変えるわけにもいきませんし。
そう考えると変声器はすごい発明品。
もし知られたら阿笠博士誘拐されそう。
もしも阿笠博士が誘拐されたら元の体に一時戻った灰原と浅香で取引して助けに行くとかありそうだな〜(※想像です)
部屋の変化に目ざといラムの様子を見て、羽田浩司は本棚の奥に匿った浅香がじきに見つかることを危惧します。
そして羽田浩司は唐突に
「烏丸蓮耶…」
FILE1107
烏丸蓮耶の名前を出され、さすがに驚くラム。
どうやら偶然ネット記事で見た30年ぐらい前の国際経済フォーラム年次総会に烏丸蓮耶の代理出席していたラムの姿(記事写真)を覚えていたらしい。
すげえ。
初対面の時に思い出したのか?
さすが四冠王。ただでは転ばない機転を見せます。
今の羽田浩司の頭の中にあるのは友人のアマンダ亡き今、残された浅香の命だけですもんね。
漢だ〜!!
今(17年前)と違って当時(30年前)のラム。
スキンヘッドは昔からなんですね。
先代ラムだった父親もそうなのかな。
ラムは現在56歳。17年前の事件当時は39歳。
年が合わない!?
前回のアマンダの指摘もそうなんですが、ラムの実年齢は脇田のプロフィールとは違うのか?
それとも誤植ですかね。
もし現在の56歳から30年前を指しているのなら当時26歳だし、それ前提にするとアマンダの発言とも矛盾はしませんが、17年前当時のアマンダや羽田浩司のセリフで出ちゃうとおかしくないですか。
単行本で修正される?
それともラムまで不老?
ベルモットは幼児化、不老を隠したいっぽい(?)から他の組織員に不老はいなかったと思っていたのですが、ラムのプロフィール自体ベルモットもよく知らないだろうしな。
不老ではないのならラムはもっと年いってるのかも?
父親が烏丸に仕えていたくらいですし。
ピスコで享年71歳だったから実はそこまで離れてないのか?
アマンダの話した通りの設定ならおそらくセリフの誤植だろうけど。
そうでないと17年前の時点から50年前に子供だったラムと30年前に国際経済フォーラム年次総会に出席していたラムが本来のラムとは別の平行世界に!?
名探偵コナンはミステリーを超えてついにオカルトからSFへ。
冗談言ってる場合じゃないですが。
わけがわからなくてこちらの計算が間違っているのかと混乱してきた。
もしかしたらあの写真の男は先代ラム(現ラムの父親)の可能性もあるかもしれませんが。
単行本にてセリフは変化なし。そのため、ラムと脇田のプロフィールはベルモット(クリス/シャロン)と同様に年齢設定が実際とは異なると確定したようです。
それにしても羽田浩司の機転や記憶力もすごいけど、本当に偶然ならすごすぎる。
羽田浩司自身が事件当時28歳。生まれてすらいない時期のネット記事を見つけたのか。
コナン世界だと現実世界の10年分くらいアーカイブが遡れる状態なのか?
羽田家にたまたま資料があったのならともかく、ネットですもんね。
羽田浩司の記憶力に感心するラム。
ダイイングメッセージ
黒田の罠に引っかかり、部屋を訪れたホテルのボーイ。
おいおい。もしも組織と出くわしてたら殺されるぞあのボーイさん。
ボーイは部屋の中で死亡しているアマンダを発見。
やっぱりアマンダの部屋は組織が整えて去ったのか。
それでも争った痕跡は残ったのか?
コナンたちが見た記事の件ではそこまで触れていませんでしたが、羽田浩司側の方は時間がなくて片付けようがなかったのか。
アマンダの死因は不明で、立場上複雑な人物だったから捜査されただけで、本来なら自然死扱いされたんだろうか。
そして、例のチェス盤と駒に腕時計を黒田が発見。
時計を気にしていたアマンダはSWATを待っていましたがそこは関係なさそうですね。
浅香は全く状況を把握していなさそうでしたし。
となると「遠見の角に好手あり」の内容をチェス盤で例えたのかな?
それが前回言っていた「クイーンズ・ギャンビット」??
それとも、1話から3話までやっていた今シリーズの事件の解き方と似ているんだろうか。
そもそも時系列的にそんなに経ってなさそうだと思っていたらリアルタイムで羽田浩司は組織員から蹴るなどの暴行を受けていた。
これまでてっきりラムが強いのかと思いきや特別そういうわけでもなさそう?
実行部隊というよりは今までの動きや今シリーズ全体をみても知力タイプだし。
でも組織員も浅香の居場所を白状させたかっただけで、致命傷を与えるためというわけでもない様子。
パトカーのサイレンが聞こえ、アマンダの遺体が見つかったことに組織も気づきます。
これは黒田が迂闊だったな。
サイレン鳴らさず来るように指示していればもう少し釘付けできただろうに。
日本じゃないからどこまで融通利くかわからないけど。
結局、ナイトの駒はアマンダが持っていたからアマンダが今際の際にダイイングメッセージを残したんだろうか。
でも相当苦しんでたし、組織が現場を整えた後に息を吹き返したのか?
即死ではなさそうだからアマンダが残したのかも。
少なくとも黒田はそう考えているようです。
状況的に浅香が仕組んだことではないことは確かですね。こちらも予想が外れました。
黒田は現場の写真をスマホで撮影。
そして、黒田はようやく羽田浩司とアマンダに接点があったことに思い至る。
ボーイに羽田浩司の部屋へ案内するよう詰め寄る黒田。
タッチの差で浅香は現場から去るのか?
羽田浩司がラムの気を逸さなかったら二人とも殺されていたでしょうね。
APTX4869の製作者である宮野夫妻はやっぱり恨まれてそう……。
次回は第12号へ続く。