感想
シリーズ解決編。
表紙&扉絵
表紙は羽田浩司と17年前の若狭(浅香)とコナン。
なんとなく灰色や青っぽいイメージでしたが、羽田浩司の着物は緑色なんですね。
白や青だと秀𠮷と被るからかな?
扉絵の方は何やら慌てた様子のコナン。
嫌な予感がする。
待機
ラムは17年前当時を回想し、「あの時とどめを刺しに向かわせておけば待ちぼうけを食わずに済んだんでしょうかねぇ…」と考えている様子。
自分の声を聞かれてしまったし、当時からずっと引っかかってはいたんでしょうね。
No.2だから制裁は受けなかったものの、しこりのようなものになっていたとしてもおかしくはない。
キャンティ、本当狙撃手に性格向いてる??
狙撃手なのに短気すぎるんよ。
ラムでなくてもツッコむわ。
まあ、コルンがいるんで大丈夫だとは思うけど。
キャンティも子供の頃から組織の中にいるのかな。
なんかそんな感じはする。
敢えてスカウトするような気質ではなさそう。
直情的で慎重なタイプではないし。
若狭先生は身長170cm弱なんですか。
背は高そうだとは思ってたけど、じゃあそれほど変わらなさそうな小林先生も割と高い方なんだろうな。佐藤刑事も?
閑話休題。
やっぱり傘の柄で特定しようとしているみたいです。これは小林先生ピンチ!
問題は灰原の存在に組織が気づくかどうかだなぁ。
もしもラムが黒田を見つけたとして、17年前当時と人相が変わっていて気づかないのかな。
でもラムの記憶力なら侮れないし、わからんな。
部下任せにしていなかったらサングラスしていたとしてもあの場で気づいただろうけど。
以前にキャンプ回を読んだ時は黒田に対して若狭は怪しんでいても含むところはないと考えていましたが、少なくとも今シリーズではちゃんと黒田のことを記憶しているようでした。
てっきりキャンプ回の時点では、黒田の右目が見えていないことに注目していたのかと思っていたのですが、驚愕したような表情でもありましたし、声や容貌は多少年老いてもあの大柄な体格で特徴的な雰囲気だから17年前当時出会った状況も相まって印象に残っていて、同一人物だとすぐに気づいたとしてもおかしくはないですね。
特に声はわかりやすいでしょうね。口調は若い頃とは違うけど。
あらためて考えると、勘違いであばら折った相手に平然と話しててすごいな。
度胸ありすぎる。
相手が自分のことを覚えているかどうか気になって話しかけたんだろうけど。
まあ、若狭からみれば後からアマンダが公安と接触していたことを知った場合、黒田(公安)が当時しっかりしてくれていたら……という思いも多少はあるだろうしな。
皮肉の一つも言いたくなるでしょう。
あらためて考えてもあのスピードでラムを退けたアマンダや羽田浩司がすごすぎる。
ラムに考える暇をほとんど与えなかったもんな。
ダイイングメッセージ
一方、コナンにはダイイングメッセージのことでまだ謎なところがあるそう。
例の腕時計につけられた口紅について。
どうやらあの口紅は口の形が大事だと伝えたかったようです。
なるほど。
LIPSのスペルの両端を切ると「IP」でインターネットのことだけど、それよりも「MOUTH」のスペルの両端を切った「OUT」の方が言葉としてしっくりくる、と。
合わせると「Watch out」=「警戒しろ」という意味になる。
これはアマンダからFBIやCIAあるいは現場に来るはずだったSWATや連絡をとるはずだった公安へ向けた警告だったのだろうか。
事情を知らせていなかった浅香あてではないだろうし。
それとも一人残されてしまう浅香の身を案じて遺した最後のメッセージだったんだろうか。
だとしたら悲しいな。
まさかアマンダも急遽浅香を遠ざけただけで、羽田浩司までもが自ら浅香に協力し、殺されるとは思ってはいなかったでしょうけど……。
ナイトの駒についていたのは血痕ではなく口紅の跡だったんですね。
誰かの目を警戒しろと警告したのなら、当時を振り返って心当たりがないのかと黒田に尋ねるコナン。
黒田は「当時すれ違ったモノクル越しでよく見えなかったがヘビの眼のような男(ラム)」のことを思い出す。
ヘビの眼というのはあくまで心象のようですが。
やはり黒田はすでに「若狭に当時の浅香が似ている」とコナンに伝えていたようですね。
サングラスをかけていたので顔についてはっきりと確信はしていないようですが。
なるほどな。自ら単独で確認しに来たのは確信が持てなかったからなのか。
とはいえ、当時の印象は鮮烈に残っているでしょうし、若狭がプロゴルファーを撃退したネット記事を見ただけで記憶が呼び起こされたようですね。
優れた記憶力を持つラムは言わずもがな。
新聞記事で速攻気づいていましたもんね。
17年という時が経過していることを考えるとすごいかも。
正体がわかっている読者から見ても正直、容貌はそれほど重ならない印象。
若狭自身正体を隠す気はないだろうけど、容疑者であることは自覚していて顔は隠していません。
実際、ほぼバレてない。
そういえば、初登場時以降に癖毛をさらに描き足して長さが変わったのは作画修正というか途中でアイデア変更だったのかな?
最初は若干の癖くらいでほぼストレートヘアだったけど。何気にこっちの方が好みだったりする(笑)
でも癖がある方がキャラクターの特徴としては強い気もする。
閑話休題。
ラムか組織の誰かが監視カメラ映像をあらためて見たら灰原の顔にも気づきそうだなぁ。
組織の中ではシェリーがベルツリー急行で爆死したことになってるから今のところはそれほど気にしていないだろうけど。
このあたりはもしかするとジンの方が鋭いのかも。
元々ベルモットについては疑ってるし。バーボンが一枚噛んでるからややこしいですが。
でも薬のことを知っているNo.2のラムがいつまでも幼児化に気づかないとは思えない。
メアリーを烏丸が見つけたのなら当然そのあたりも頭の中に入っているだろうし。
黒田と若狭
黒田の証言にちょっと笑ってしまった。
若狭が黒田と会う度にかなり睨んでいたからアマンダと羽田浩司を殺したのは自分だと誤解したままかも…と黒田自身は考えているようです。
さすがにそれはないでしょう。
それに若狭の性格だと、もし仮に黒田が犯人だと確信してたら速攻殺しに来てるわ。
話をまともに聞かないうちからあばら折ってるくらいなのに。
まあ、黒田にはアマンダと浅香の関係や羽田浩司とのやりとりについての詳細は知りようもないからそう考えるのも無理ないのかもな。
若狭は17年前当時、ラムが羽田浩司の部屋を訪れた時の声を聞いてるから黒田がラムではないことは知っているし、トランクに乗せられた経緯を正しく理解していれば自分を殺していない時点で早々に疑いは晴れたのでしょう。
当時は公安だと知らなかったから後で突き止めたのかもしれませんが。
そういえばバーボン(安室/降谷)がどうして17年前の事件について組織の関与を知らないのかも今回を読んで腑に落ちました。
予想していた通りではあったけども、やはり公安の方で組織というかラムの関与について情報が錯綜していたからなのか。
死亡者は二人、生存者の黒田自身がずっと眠っていたし、浅香はいまだ行方不明のままで、何ともしようがなかったのな……。
色々と情報を集約していたらバーボンも真相に辿り着いた可能性はあるけど、これは難しいな。
逆にこの状態で潜入中って結構危ない橋渡ってますね……。
組織内の情報だとジン(+ウォッカ)・キャンティ・コルンにはラムの失敗は伝わっているけど、アサカの調査依頼の時の雰囲気的にバーボンとベルモットには事情は知らされていないっぽいし。
これは調査に長けた二人で、ラムが自身について探られるのを避ける意図があってのことなのか、それとも実行部隊の中でもスナイパーが暗殺を担当していて普段から振り分けしているだけなのか。
ラムがジンとは接触しているあたり、この辺は信用度の問題な気がする。
ベルモットはアマンダの作戦阻止に関わってはいますが、顛末までは知らないのだろうか。
かつてアマンダおよび浅香について調べたことがあるのならラムが動き出していることで現在は推察できている可能性はあるかも?
やはり降谷(安室/バーボン)や風見、黒田の回想的に世に出ている羽田浩司事件の詳細は意図的に隠されているとみていいのかな。
今回でもネット記事の方でもコナンが詳しい部分についてはほぼ初耳っぽいような反応でしたし。
一方、若狭はエレーナについて知っていたり、APTX4869投与者リストを所持していて「毒薬」と表現していたから薬について多少なりとも知っていることからみても、どうにか調べたのかな。
あるいはメアリーの夫と接触した時に何らかの情報を手に入れたのか。
でもあのリストはハッキングでもしないと無理ですよね。
新一の名前があるので、作中だと半年以内の話だし。
諜報能力にも優れたボディガードだったのかな。
17年前はそれほど勘が鋭いタイプでもなさそうでしたが、復讐心が浅香を駆り立てたのか。
結局、浅香の父親を殺したのは組織と無関係の人物なんだろうか。
アマンダがかねてより狙われていたのなら組織がやったことなのかと思わないでもない。
ラムはアマンダと浅香の関係も正しく把握していたようですし。
当事者だからこそ脅しに使えると認識してアマンダに交渉しようとしていたのなら納得かな。
一度失敗していると仮定するならなおさら。
駄目でもともと、はぐらかされることを承知の上で、若狭本人に聞いてみるかとコナンはスマホを取り出しますが、マナーモードにしていたので阿笠博士からの着信が5件あったことに今気づきます。
急いで折り返すコナン。
連絡がとれないからファミレスに移動することにしたという連絡でした。
まあ、40分も喫茶店で時間を潰していたわけで、まともな食事も注文せずに1時間以上も居座るわけにもいかないでしょうしね。ビル内にあるそれほど大型ではない店でしたし。
傘は小林先生が持っている様子。
灰原も普通ですね。
ファミレスに着いたら連絡するから黒田との話が終わったらすぐに来るよう探偵団たちに言われてしまいます。
白鳥警部のことでからかう歩美ちゃんと照れて困る小林先生がかわいい。
若狭に電話を替わってほしいとコナンが言いますが、阿笠は「若狭先生は先に帰った」と伝えます。
若狭が傘を置いて行ったこともあわせてコナンに伝わりました。
まだ雨が結構降っているのに傘を置いて行ったことを不審に思って窓の外を覗くコナン。
カフェの傘立てから傘を取る時に誤って小林先生の傘を壊してしまったので代わりに自分の傘を置いて行った経緯を聞いたコナンは瞬時に若狭の狙いを見抜きます。
黒田の話を聞いた上で、過去にも事件が発生することを承知でコナンを巻き込み、推理力を確かめようとしていた若狭の性格を考えたら気づくでしょうね。
緊急事態に黒田も強く関心を持っている様子。
若狭の傘を見つけたキャンティとコルンが西トピア近隣ビルから狙撃を開始しようとしています。
灰原の顔は傘で隠れていてスコープからギリギリ見えてないな。
キャンティやコルンがシェリーの顔を知っているかは今のところ確定していませんが、おそらく今回の描写を見るに、知っているんでしょうね。
灰原側からは二人のコードネームや腕利のスナイパーだと聞いたことがある程度でしたが、スナイパーである二人ならシェリーが逃げ出した時点で情報は回ってそう。
当然ラムも。双眼鏡では灰原の顔は見えない感じでした。あっぶね。
コルンは頭狙い、キャンティは胴体を撃つ段取り。
慌てたコナンは阿笠博士に警告しようとしますが、ちょうど阿笠博士のスマホが電池切れで電話が不通に。
なんというタイミング。
急いで出入り口に向かうコナンと黒田。
しかし、待機していた車の中から双眼鏡で見ていたラムは狙撃対象者の履いている靴が違うことに気づきます。
これは迂闊!
というか誘い出した若狭が一歩上手というか、恐ろしいほどに相手の行動を予知している。
もしかすると雨天(予報だったのかもしれない)なこともチェス大会応援参加を決定したきっかけだったのかな。
服装よりは傘の方が顔を隠しやすく、囮の確実性は高まりそうだし。
住んでいるマンションで殺人事件を犯すであろうことを予期し、プロゴルファーを撃退してわざと取材で顔を晒した以上、いつかラムが動き出すであろうことは常に考えていたんだろうな。今回読むと、元々それを待っていたわけだし。
組織としては無関係の人物を狙ってしまうとかえって目立ってしまうよなぁ。
今回、土門の一件とは事情が違う。
靴が違うことを伝えようとしたラムでしたが、それによりキャンティとコルンの気が逸れて傘の柄と地面に着弾し、幸運にも小林先生の傘が手元から弾かれます。
あぶねぇ。
白鳥警部が知らない内に小林先生がとんでもないことに巻き込まれている。
小林先生も割と巻き込まれ体質だな。
驚く阿笠と少年探偵団たち。
ストライプの傘は若狭(浅香)のものだったはずだと不審がるラム。
しかし、ラムはあることに気づく。
って、先ほど何気なく聞き流していた強盗事件のニュースが関係していたのか。
これはしてやられた。
今回の冒頭、ナイフ1本で強盗に入ったバカがいたとネットニュースを見ていたキャンティが話していた(それをラムがよそ見をするなと咎めた)のですが、その狙われた店が銃砲店。
てっきりコンビニだと思ってました。
即、決断!
若狭(浅香)の機転の利きようはすごいな。
日本だと銃器の取り扱いは登録許可など複雑ですし、警察の確認もあるからか。
ただ、そんなことをしたら当然警察の捜査は入ってしまいますが。
でもせっかく手に入れた銃だからそのまま持って逃げるんだろうか。
その場に置いてたりしてな。次回わかるかな?
防犯カメラへの侵入に気づけたのはどうしてだろう。
もしかすると大型商業施設ならネット監視システムの最新型を採用していて組織の侵入が可能だと思ったから?
あるいは17年前のあの日と同様、右目が疼いたから?
さすがに今シリーズ冒頭、小五郎への依頼が若狭の差金ってことはないよな……。
おそらく今のところ小五郎と蘭は若狭先生とは面識ないしな……。
小学校では脇田の後ろ姿を気にしてはいたようですが、確信までは持ってないのかな。
脇田(寿司の配達員)を怪しんでいたなら、やはり微かでも声を聞いていて疑っていた可能性もなくはないんだろうか。
そこから計算していたのなら恐れ入る。
一方、西トピア出入り口付近の小林先生と探偵団たちは傘が風に煽られたのだと勘違い。
ですが、表情を見る感じ灰原は狙撃だった可能性に気づいてそう。
若狭が傘を店に残した意図は気になっていたようですし。
ラムが強盗に入られたのは何の店だったのか通信で確認している最中にキャンティが左肩を撃たれて負傷。
コルンは無事。
レインコートを被り、銃を構える若狭のコマ(正面)がめちゃくちゃかっこいい。
それにしても危ないことするなぁ。
なるほど。これがチェスの戦術「ギャンビット」を意識したものだったのか。
自分の命を助けてくれたアマンダと羽田浩司に報いるために孤軍奮闘する浅香(若狭)。
アツい展開ですね。
元々、父親のこともあってボディガードの道を選択した性格の浅香は当然、どんな犠牲を払ってでも組織およびラムへの復讐を遂げるまで止まれないんでしょうね。
無茶苦茶ではあるけど、これが彼女なりの家族や恩人への責任の取り方なのだろうな。
17年前と今の彼女に違いはありますが、どこか不器用なところは一貫してますね。
危なっかしいにもほどがあるけど、個人的にはこういうキャラすごく好きです。
思うまま突っ走ってほしい。
新情報をもたらしたり、状況を引っ掻き回すトリックスター的な存在でもあるし、物語を展開させるには必要ですね。
今回、組織すら手玉に取ってるし。
撤退を決定したラム、キャンティ、コルン。
最悪の事態は避けられましたが。
やはり、若狭はなりふり構わず対応していますね。
これまでの描写からも読み取れていたことですが、たとえ刺し違えてでも組織に復讐を果たすつもりの若狭を止めることは容易ではありません。
右目の時を戻す、か。
やはりAPTX4869が若返り可能な薬だと組織にバレてしまっているようですね。
烏丸からラムの耳にも入っているということか。
ジンたちが把握しているかはわかりませんが。
もしかすると灰原が抜けた後も組織の研究が進んでいて、マウスの幼児化の結果が再び出ているのかも?
灰原がおこなった新一死亡確認のデータの書き換えがバレていたらやばいですが、どうなんだろう。
浅香が動き出したことで組織で再調査がおこなわれて…という可能性もあるのかな。
それだと一番シンプルですね。
稲妻を背に車でその場を離れるラム。
17年前当時のことを思い出す若狭。この、角の駒を見つめている表情がなんとも絶妙。
初志貫徹を座右の銘としていた羽田浩司について、ろくに関わりがない相手を助けるなんて馬鹿な奴だと思いながらも(←たぶん組織が羽田浩司にかけた言葉ではなさそう? 羽田浩司が襲われている最中、浅香は気絶していましたし)託された角行の駒を肌身離さず(一度うっかり落としてたけど…)大切にしている若狭。
新一が言っていた「人を助けるのに理由はいらない」というのにも似てるかな。
そうしようと決めたから。
ただそれだけで、ゆきずりに近い関係にもかかわらず助けてくれた羽田浩司との約束を律儀に守ろうとしている浅香。
次回は第20号へ続く。
しばらく休載ですね。
そろそろ17年前のメアリー夫と浅香の関わり方の詳細がわかりそうですね。
それにしても。あの映像、ラムの手元に残ったままなら心配だなぁ。
ベルモットはどうしてるんだろう。
灰原の存在が組織に認知されると同時にコナンが新一だと発覚する可能性は高いし。
バーボンがうまくごまかしてる(?)っぽいけど、新一の死亡確認についてはどうなってるんだろうか。
死亡確認が覆されたからメアリーを探しにきたと言えなくもないんですよね。
イギリスで死んだはずのメアリーをピンポイントで組織が追ってたことが気になるなぁ。
ただし、メアリーの存在が判明したのは修学旅行編よりもだいぶ前なので、新一の調査→メアリー追跡が動機ではないのかも。
若狭が動き出したことの方が関係あり?
もしかすると「若狭留美」という名前からAPTX4869の効能(研究目的)がバレたと組織(ラム)が考えていたとか?
あるいはMI6への調査でメアリーの生存がバレたのか。
それとも世良に対する調査でバレたのか?
世良を調べるとしたらミストレ編あたりのベルモットということになりそう。
それにしてもホテル暮らしで警戒心の強いメアリーが普段からそう簡単に顔を出すとは思えませんが。だからこそ例の事件に乗じてだったんだろうし。
だとすると、世良を調査→監視カメラに潜入、で気づいたのかな?
あるいはベルモットが変装でホテルに侵入して気づいたか。
とりあえずこのラム編は色々と気になるところ。
あと、謎の老人も気になるし。あれはご隠居なのだろうか。
伊織もまた出てくるかな。
次が服部周辺なのか、それとも灰原と若狭で話が進むのか気になるところです。
それにしても今回のラムの独白や今シリーズの他の話を踏まえると、ラムは不老または若返りはしていないようですね。やっぱり前々回はセリフの誤植なのかな。
それとも脇田の年齢がダミーなのか?
総括
今シリーズのMVPはなんといっても浅香(若狭留美)でした。
現在の動きについては予想通りだった部分はありましたが、想像以上に過去の浅香は魅力的でした。
それにアマンダも。いい人だったんだ。それが結構予想外でした。
緊張感たっぷりで楽しいシリーズだった。
過去と現在を行き来しているのにすごく読みやすかった。
シリーズ途中、普段よりページ数多めだとは感じましたが、それにしてもボリュームたっぷりな長編(中編?)でした。
思いのほか羽田浩司と浅香の出会いやアマンダについてはそれほど複雑な設定ではなくあっさりしていましたが、それでも過不足なく面白かったです。
若かりし黒田もなんか若造感あって意外というかよかった。
現在と17年前当時の印象も合わせると、黒田は結構お人好しだったり熱血漢なところもあり、いい人ですね。
他のキャラと似ているようで似ていない不思議な魅力がありました。
平次と伊織(榊原)登場回ではこれまでと印象が少し変化し、普段は生真面目なのかなと思ってはいたのですが、実際はもっとグラデーションがあるというか多彩というか普通っぽい部分もあるキャラクターでした。
黒田なりに健闘した結果でしたが、一番すごいのは羽田浩司かも。
あの適応力は何なんだ。
なんとなく若狭や秀𠮷のようなタイプかと思っていましたが、思っていた印象とは少し違ったかも。
並外れた度胸があるというか。
どちらかというと行動力については蘭、歩美ちゃんや高木刑事タイプ?
考えるより体が動く&頭もよく働くという特殊な人でした。
保身とか微塵も考えないんだろうな。
誰かを切り捨てたりできない人なんだろうなとすごく心に残りました。
若狭が彼を裏切るまいと時に他人さえ巻き込む無茶をしているのも納得というか。
あれほどの恩義はそうないでしょうね。
アマンダ以上に羽田浩司に対しては助けられた命に変えても報いなければという思いが強いのかも。
あれだけいい人に助けられたら安穏と生きてられないかも。
自責の念は強いだろうし。
あと、「反撃のチャンスがある」と伝えたのが父親の跡を継ぐ形でボディガードになった浅香の琴線に触れる部分の多くを占めている気がします。
ただ単に自分の身を守るのではなく、攻めるチャンスがあると考えたのが腐っても四冠王。
羽田浩司が浅香について「僕はタイプ」だと言ったのもわかる気がする。
あれでも棋士としてはかなり好戦的な人だったんでしょうね。
アマチュアのチェスですら好成績だったくらいだし。
実は深いところで通じ合えるはずの二人だったんだろうな。ある意味運命的な出会いというか。
結果を考えると切なくもありますが。
もしもラムの能力が今後両目ともはさすがに無理でも片方だけでも全盛期レベルだとどうなるんだろう。
より強敵に?
初めて過去のラムの顔が描かれた回で、瞳の描き方が蛇っぽいなとは思っていましたが。
なお、見た目というよりラムの性格というか行動は「蛇に嚙まれて朽ち縄に怖じる」(一度の失敗に懲りて、必要以上に用心深くなる)という諺に通じているような気がします。
右目が使い物にならなくなる前にあの能力で色々と暗躍していたようですが、ラムは17年前より以前は元々身を隠すような感じでもなかったのかな。
羽田浩司が見たネット記事だと(もし誤植なら現在から振り返ると?)30年前のラム(同一人物なら)は堂々と世間の前に姿を現していたようですし。
本当は17年前当時からは振り返ると13年前くらいなのかな。
17年前の左目と現在の義眼の違いが気になります。
右目はたまたま病気で特殊な能力が全盛期ほど機能しなくなったというだけなのか、左目に関しては事故に遭ったのはその後なのか。
事故が原因で両目とも段々機能しなくなった、というよりはメアリー夫がジークンドーでやっちゃったのか?
だとすると生き延びてるラムの腕っぷしもそれなりに強いことにはなりますが。
右目が復活したら結構な強敵かも。
個人的には口調含め、脇田の姿の時のが底知れない感じがして好きというか逆に怖い。
素顔は普通に顔が怖い(笑)
脅すのでまさにコワモテ(強面)ですね。
幹部には声や素顔も隠してるので普段から連れている部下はラム専用なんでしょうか。
おそらく素顔は知らないと思われますが、相手が仮の姿とはいえ近くにいるバーボンにはぜひ健闘、活躍してほしいですね。
なんとなくですが、黒田とは方向性の違う動きをしそうな感じがします。
現状疑われてそうだからなぁ。どうピンチを切り抜けるのかその手腕が気になります。
シェリーを葬りたい上に新一と蘭を守りたいベルモットが周囲にいるのが災いしそうな雰囲気。
これに乗じてベルモットがバーボンの正体を掴む可能性は十分にある。
他にも気になったこと
前回読んだ時に気になっていたのですが、ラムが浅香との関係を持ち出した時にアマンダが驚いていたこと。
やはりアマンダは周囲には敢えて事情を隠していたようですね。
その高い地位や複雑な立場ゆえに何かと隠し事をしていていたのが浅香を雇い入れた経緯を身近な人たちが知らなかった理由?
主に事件の目撃者だった浅香の身を守るためだったのかな。
元は証人保護プログラムを受けるはずだったくらいだし、報復を気にしていたのか。
→追記。
どうやら名前を変えていた(つまり、浅香とは別に旧名がある)ことが単行本修正で確定したので、いったんは証人保護プログラムは受けたから名前が違う、ようですね。ジョディ先生と同じ感じかな。
この制度、あまりよくわからなくて。
証言後の拘束能力はないに等しいんだろうか。受けずに証言し、名前を変えたととれなくもないですが。保証を受けないのならその後は自由ということなら二人とも納得なんですが。あくまで個人の自由意志でできるとみなしてよさそうですね。
犯人が捕まって裁判があっても依頼主の正体まではわからなかったんですかね。
実は依頼主が烏丸だったんでしょうか。
浅香の母が病死したのは父親の死の前なのか後なのか。前かな?
実際は事情によって多少違うかもしれませんが、作中で描かれている感じだと知り合いとも関わりを絶ち、家族とも暮らせない制度とのことだったので、浅香本人の強い希望もあったようですが、身を挺して守ってくれた浅香の父親に対する恩もあるし、天涯孤独になってしまった彼女を悩んだ末に引き取る形でそばに置いていたようですね。
浅香はボディガードという立場でないとそれはそれで周囲に事情を隠そうにも目立つでしょうし。
もし浅香の母親が生きていたらそこまではしていないだろうな。母親にも悪いだろうし。
母親が生きていた場合、さすがに母子保護される形で身元を変えて共に暮らせたのかな?
アマンダが密かに計画していた行動と浅香やラムの話を総合してみると、以前から脅迫されていて、その正体が朧げでも組織の存在を掴んでいたところに、FBIやCIAとコネクションを持つようになり、日本の公安にまで相談することになった、という感じですかね。
あるいは元々FBIやCIAとコネクションのある資産家で大統領選に出馬する意向があったからそれを阻止すべく組織から狙われるようになったのか。
どうして日本の公安に相談していたのかは気になります。
単にアマンダがCIAやFBIとコネクションを持つようになって、日本も安全保障的な意味合いというか警告で念のために情報提供があっただけなのかな?
それとも脅迫者が日本の大富豪である烏丸蓮耶だと薄々勘付いていたから?
羽田家はまったく関わりがないようでしたし。
現在組織に公安が潜入していることや黒田の反応を見る限り、すぐに羽田浩司が遺したダイイングメッセージの意味が解けたようですが。
おそらくあの時点ですでに組織は公安の捜査対象者だったのではという気がします。
40年前の黄昏の館の一件が不審すぎますし、そうでなくとも白鳩製薬の倒産あたりには情報を掴んでいそう。
気になるのは黒田とご隠居の関係ですね。
鈴木財閥や羽田家は組織と関わりがないようですが、日本の中でも資産家の彼らがおそらく組織を認知しておらず、紅葉の祖父(?)であるご隠居は関わりがある可能性がありそうな感じなのが。
鈴木家も財閥ではあるけど、巨大さでいうと烏丸家は圧倒的にトップ(SDB参照)らしいし、大岡家はそれに次ぐ資産家なのかな。
鈴木家も財閥で、大岡家も財閥なのにどうして作中でこれほど扱いが違うのだろうか。
ただ単にご隠居は黒田の個人的な知り合いなのか。
それとも、日本で組織から脅迫されたことのあるのが大岡家なんですかね。
あるいは烏丸蓮耶とご隠居は対立したことがあるのかな?
詳細は不明なこの時点で言うのもなんですが、ご隠居は次郎吉っぽいところと紅葉のような計略タイプが合わさったような、ややこしい性格してそう。
面倒ごとに首を突っ込むというか、烏丸蓮耶を怪しんで警戒していたとかもありえそう。
伊織が榊原と名乗って潜入していた先や紅葉の執事になった経緯が非常に気になる。
後者についてはご隠居の意向だとは思われますが。
そうでもなければ元公安の人間を内部に引き入れて孫に付かせるってあまり普通ではないような。
ご隠居が黒田と知り合いでなければ偶然と片付けるところなんですが。
飄々としたあの伊織(榊原)すら気が滅入ると言わしめる潜入先も気になる。
以前の記事ではとりあえずの結論すら出せずじまいでした。
それにしても、アマンダはもちろんのこと浅香や羽田浩司に降りかかった不幸の連鎖がなんとも言えない。
羽田浩司本人は色々と覚悟の上でしたが、その家族としては何としてでも真相を知りたいでしょうね。
遺族としては不可解で複雑な上に真相がわかったとしても割と遺恨ができそうな経緯だな。
無理もないことですが、羽田浩司の父親が日本の警察やFBIをあてにできないのも仕方ないかな。
でも、MI6も結局ベルモットの潜入を許した(?)っぽいしな。
映画の描写では確定で、原作でもメアリーが橋から転落した後におそらくベルモットが潜入したんでしょうし。
となると、そこはやっぱり主人公の出番でしょう!
情報源があるとはいえ、一番組織の動きを把握しているのがコナンなのかも。
正確に言うと組織の狙いについては灰原ですが。
灰原もそれなりに状況が整った上で捜査機関に情報提供するのはやぶさかではないだろうけど、現状は全幅の信頼を寄せるのはコナンくらいでどんな組織も完全には信用できないでしょうね。
灰原の性格上、あくまで組織を本当に何とかできるのならという前提で、実現不可能ということも踏まえて情報は差し控えているんだろうな。
当初から知らぬ存ぜぬの一点張りなのは危険すぎるから。
段々と情報提供の緩和はしていますが。
ラムの情報の詳細を知らない灰原ですらここまで用心深いということは烏丸の影響する範囲は相当なものでしょうね。
ピスコや呑口議員のように政財界に顔が利く人間も内部に取り込んでいるとなると。
そもそも呑口議員はどうして暗殺対象になったんだろう。
ピスコの方が目立ちすぎてうやむやにはなってるけど、灰原も「捕まったらわかるんじゃない?」と素っ気ない反応でしたね。
本当はわからないと思っていたからなのかな。
疑惑を調べる過程で組織のことが露見することを恐れたにしても、何か証拠の一つでもないとそう簡単にいかない気もするけど、司法取引されるリスクと天秤にかけたのだろうか。
ピスコすらあっさり切り捨てているし。
まあ、結局実際は呑口議員やピスコが死亡。その家族も蒸発しちゃった(消された?)し、組織の手口はよく理解していたから投げやりな反応だったのかも??
アマンダは米国人の資産家で捜査機関とのコネがあったので今回はなかなか手こずったんだろうけど。
日本じゃほぼ無敵では?
頼る相手がコナンや羽田浩司のような捨て身で助ける人なら違うんだろうけど、いざという時に失敗してあとは振り出しに戻るんじゃリスク高過ぎだしな。
それはコナンの立場でも同様。
灰原の助言も影響しているとは思いますが、幾度か組織と関わってきた経緯もあり、それぞれの思惑で動いている現状では周囲を巻き込んでしまうし、一か八かでは困りますもんね。
結果、アマンダや羽田浩司のようになってしまってはダメージが大きすぎるし、取り返しもつかない。
コナンはピスコや呑口議員が殺されたのも知っているし。
正体を隠しながら協力するのは結構難しそう……。
これからも一進一退なんだろうなという感じはします。
そういった意味では良くも悪くも若狭(浅香)は完全個人プレーで、振り切れてる人だからすごいな。
経緯が経緯なので仕方ない面も多分にある。
復讐を遂げたら死ぬつもりというか、刺し違えてでもラム絶対殺す、くらいの意志でしょうね。
何より自分自身が許せないというのはありそう。
だからこそ羽田浩司が遺した言葉を実行するために利用できることは躇わない。
周囲を否が応でも巻き込んでいくスタイル。
個人でコレはヤバすぎる。反撃のためなら何だってするという感じですね。
今回については狙撃の腕の問題なのか、それともやっぱり狙撃者(キャンティやコルン)を殺さずラムを引き摺り出すのが狙いだったのだろうか。
完全に息の根を止めるよりは仲間をその場に釘付けにした方が証拠隠滅のためにラムも出て来ざるを得ないだろうし。
コルンが無傷じゃなかったら組織は結構ヤバかったですよね、今回。
最悪、追い詰められたらカルバドスや楠田陸道のように二人が自決した可能性もあるけども。
羽田浩司も思い切りがいいという意味では十分すぎるくらいすごい。
いい人すぎたな……。
通常の事件以外だと、いい人ほど早逝なコナンワールド。
読者に鮮烈な印象を残していきました。
次回は第20号掲載予定です。
その他
追記。
余談ですが、浅香の本名である「しょうn」という名前の由来についてはシャーロックホームズシリーズのとある話に出てくる名前がモデルではないかという推測がされています。
普段は由来とかあまり考えない方なのですが、話の内容を踏まえるとおそらくそれでほぼ間違いないと思われます。
といっても内容が一致しているわけではなく、題材や象徴的な部分がおそらく大まかなモデルとなっているという感じ。