FILE1066(100巻収録)でついにラムの正体が判明しました。
ラムの正体
ラム(RUM)の正体は脇田兼則でした。
脇田は毛利探偵事務所の隣にある『米花いろは寿司』の板前です(※流れ板と自己紹介していますが、ものもらいがあるという体のため、仕込みの手伝いはしていても板場には立っていません)
大のミステリー好きで、いろは寿司で起きた事件(92巻参照)を眠りの小五郎が解いたことに感銘を受けて、小五郎の弟子になっています。
正体が判明した今となっては小五郎に接触するための口実であることがほぼ確定したのではないでしょうか。
「パイレーツスピリットなんて駄馬に突っ込むなんて」と脇田が言ったのは策略に乗ってまんまといろは寿司に現れた小五郎をまるで皮肉っているかのようです。
その後、眼帯の下(義眼)を見たいかどうか聞いてみたり、小五郎に推理勝負を持ち掛けたりしていました。
実に大胆かつ挑発的です。
ラムの素顔
脇田としての容姿はシンプルながら、実に巧妙な変装でした。
→追記。
ラムの素顔・能力について
見たものを一瞬で正確に記憶するフォトグラフィックメモリーの持ち主。
17年前のアマンダ・ヒューズと羽田浩司殺害事件当時は左目は義眼ではないものの、右目はすでにその能力が衰えていました。
現在は左目が義眼で、右目も能力は失われている状態ですが、APTX4869で右目の能力を取り戻せると認識しており、加齢で失われた能力だと考えられます。
目的
①小五郎と浅香の繋がりを疑い、調査するために小五郎に接触しに来たのだと思われます。
②もしかしたらバーボンやベルモットが組織内の鼠でないか疑い、その調査も兼ねているかもしれません。
RUMの顔を知らない
ウォッカ曰く、ジンはラムと会ったことがあり、どこで何をやっているのかも知っています。
灰原が知っていた「大男」「女のような男」「老人」という十人十色の特徴はほぼ護身のためにラムが流した偽情報であることが判明しました。
義眼が確定情報として広まったので後から偽の情報を流したのだと思われます。
「ほぼ」という言葉が気になりますね。
情報撹乱も護身の内だろうし、どういう意味でしょうか。
脇田としての変装について
おそらく浅香はラムが義眼だと知っていて、小五郎が浅香と通じているか確かめるために敢えてわかりやすいようラムは変装時に眼帯をしているのだと思われます。
ラムの片方の目が義眼であることが組織内に広まっていることからみても、車内にいた時のように変装時以外は隠していないのかもしれません。
※2年前は瞳を閉じてると思われるのでごまかせそうですが、普段あの義眼を隠すのは困難だとは思います(2年前の時点で義眼だったとして)
小五郎の前で二度も眼帯を外した姿を見たいか確認しています。
長野に向かう列車内で聞いた後は鋭い目つきで小五郎の方を観察しています。
二度になったのは一度目がコナンからの探りだったので、小五郎の反応について判断しかねたのかもしれません。
→追記。
17年前の事件当時だと浅香はラムの素顔を見ていないことが判明。
ただし、声は聞いています。
浅香が義眼という言葉に反応した理由
何者(もしかするとメアリー夫?)かにラムが義眼であることを聞いている可能性があります。
おそらく17年前当時は黒田の怪我について隙をついて逃亡した浅香が詳細を知っていたとは考えにくいです。さらに黒田とは対面時驚いた様子であったこと、義眼という言葉を聞いて角の駒を握りしめたことからも、ラムが義眼である情報を掴んでいる可能性があります。
※なお、ラムの方は浅香に声を聞かれた可能性について考えているため、義眼であることは把握されていないと考えていると思われます。そのため、小五郎やコナンに揺さぶりをかけたのは浅香がどこまで自身の情報を掴んでいるか炙り出せるか試したのではないでしょうか。
ふざけた名前
ジン曰く、ラムは「(顔を変えて)ふざけた名前を名乗っている」ようです。
バーボンに送ったメールの中に書かれた「Time is Money」(時間は貴重で有効なものであるから浪費してはならない)という諺の言い換え「時は金なり」という言葉からのアナグラムではないかと言われています。
メールと口調が違う
メールで口調が違うのは変装や声音の機械加工と同様、秘匿性を考慮したのではないでしょうか。
ただし、FBI連続殺害事件でラムが介入した時は「待て…」と口にしていたので、厳格な決まりがあるわけでもない。
「急げよ」や「急げ」は文章を送る際は単にですます口調は使わないというだけだと考えられます。
単純に急いでいるのとバーボンへの揺さぶり(急かして相手の出方を探る)もかねているのかもしれません。
バーボンはラムの正体を知っているのか
素顔を知らない可能性はあります。
しかし、長野への探偵旅行(97巻)の様子を踏まえると、安室はラムが脇田だと知っていると思われます。
探偵旅行に同行するには安室の協力が必要
「園子がたまたま風邪でダウンしていて急遽同行者が2人不足する」という情報を得るには蘭に探りを入れやすい安室が有利です。
園子と安室の接点
- ミステリートレインで初めて対面(78巻)
- 後日、テニスの特訓のために安室がコーチ役となる(78巻)
- ガールズバンドを結成することになった園子たちの練習に協力(88巻)
- ロックミュージシャン・波土禄道がおこなうライブの前日リハーサルに見学できるよう園子が協力(90巻)
もしもラムが脇田としての顔(素性)を安室に知らせていなかった場合、急遽同行を希望する板前は怪しまれること必至。
4人で訪れる条件のため、出発3時間前に決めるにはあと2人確実に揃うことが前提です。
安室に同行する理由がなければ蘭に話を持ちかけられた場合、断ることになると思います。
探偵旅行への同行者がもう一人必要だという話の流れで、安室は「ミステリー好きな人がベストなんですよね?」と言っていました。
その後、示し合わせたかのように「大のミステリー好き」である脇田が現れます。
尚、急遽安室と脇田の二人が同行できたのも、安室の計らいがあってのことだと思われます。
「ポアロのマスターが友人と温泉に行く都合で…今日の午後から明日一日お店を閉めるようなので…一泊二日の探偵旅行! 付き合えますよ!!」
「じゃあ梓さんも行けるんですか?」
「いや、一応誘ったんですが…明日の予定はもう決まってるらしくて…」
喫茶店を経営しているマスターが午後から急に一日お店を閉めるというのはいくらなんでもタイミングがよすぎますね。
「今日はシフトが休みだったから同行可能」と言っていてもおかしくはないところをこう説明しているということは蘭から直接話を聞いて、急遽マスターが旅行に行けるよう計らいをした可能性があります。
さらに、梓も「明日の予定はもう決まってる」ということは「今日」は出勤日だが明日は休めるということが以前から決まっていることになります。
- シフトが決まっている→マスターあるいは安室とマスター二人ともが出勤予定だった(梓は休み)
- 元から休み→梓には話が通っていて、安室は知らない(※「閉めるようなので」というセリフ)ということは考えにくい
誘っていないが一応誘ったと嘘をついている可能性もありますが、辻褄合わせをするのが面倒になるため、声をかけたのは本当ではないでしょうか。
もし仮に梓の予定が空いたとしても蘭がおらず、コナンと小五郎と安室とわざわざ探偵旅行に行くことを了承するかも疑わしいため、安室の方から適当に断って(たとえば「男四人の方がいいだろう」だとか)もう一人(脇田)を入れることは可能だったと思われます。
蘭や小五郎はそれなりに付き合いのある彼女を信用していて、違和感は覚えていないのかもしれませんが、梓の立場からしたら男(少年含む)3人と探偵調査の旅行に行きたいか……と問われたら断る可能性の方が高いのではないでしょうか。
正体を隠したいのなら牽制めいたことを言うメリットがない
「自分を謀る裏切り者」「鮮度の落ちた魚を高値で売りつける」といった言葉は相手の反応を窺うためだと考えた方が自然です。
脇田が安室に正体を隠したいのであれば、せっかく変装しているのに身動きがとりづらくなってしまいます。
その場には小五郎もいたので、なおさら二人の様子を見たかったと考えた方が自然ではないでしょうか。
信用のおけるペア行動を提案して、小五郎と脇田がペアに
誰がどこを回るかについて決めようと言い出したのは脇田で、トランプで決めることを提案したのは安室でした。
犯人が妨害したのでくじ引きで決めて1人ずつ回っていましたが、本当は小五郎が決めた場所に脇田は同行しようとしていたのではないでしょうか。
そのため、安室は改めてペアで行動することを提案したのかもしれません。
コナンの問いに対して安室がヒントを与える
ジンに現在どこで何をやっているか話していることについてラムは口止めをしていなかったと踏まえると、ラム自身でバーボンに偽名を伝えて毛利小五郎の調査協力を要請していると考えられます。
92巻「待ち合わせは喫茶ポアロで」では高木刑事が
「そういえば先日ここの隣の米花いろは寿司で似たような事件があったらしいですよ…」「袖口についた血のシミを大根おろしで消すっていうトリックなんですけど…」
と目暮警部に話しているところに安室は「へぇ そんな事件があったんですか…」と関心を持っています。
目暮警部が言うように、米花いろは寿司で起きた事件は喫茶ポアロで起きた事件のトリックに関係ありません。
尚、この会話よりも前にコナンと平次は返り血を浴びないトリックを思いついています。
後にコナンと平次の様子を見ていた伊織が紅葉に聞かされた真相からヒントとして百人一首を詠むのですが、この時にコナンと平次同様に安室も事件の謎(暗闇で犯行を成し遂げたトリック)が解けています。
つまり、ポアロで起きた事件が解決しない内にトリックとは無関係な米花いろは寿司で起きた事件について関心を持ったのは脇田が小五郎に接触したことを知っていたからではないでしょうか。
いくら脇田が小五郎来店のために入念に準備したとしても、米花いろは寿司で事件が起きることは予見できません。
安室は詳細を知らず(探っていると脇田に漏れる可能性があるため小五郎に聞くことができない)コナンが容疑者の内の一人と話している間に目暮警部と高木刑事に探りを入れていたと思われます。
雪山教会事件ではラムについて尋ねられたのでやむなくヒントを提示していましたが、安室にはコナンと脇田の接触を阻止する目的以外にコナンとペアを組む理由はなかったのではないでしょうか。
その証左として、コナンからラムについて尋ねられるまで安室は事件現場の捜査をしていたことが挙げられます。
※尚、雪山教会事件のコナンと安室のやりとりによって、工藤邸のお茶会で話した内容では「工藤新一=江戸川コナン」であることは安室に知られていないことがわかります。
そうでなければラムの名前を出したことについて「一体君はどこからそんな情報を…」という答えにはなりません。
安室は過去にFBIとCIAのキールが協力関係にあることを推理し、FBIとコナンが協力関係にあることにも気づいています。
それを踏まえてもあのやりとりになるということは、安室にとってコナンは眠りの小五郎の裏で手を引いている人物で、頭が切れる上に何故か組織のことを知っている謎の少年だが部外者という認識だと考えられます。
子供だてらに優れた探偵である故に、正義感から首を突っ込んでいるとみなされているのではないでしょうか。
※普通の小学生が持てる知識量ではないため、その正体について気にしているはずです。
ただ、少なくとも長野への探偵旅行の時点では幼児化の可能性には辿り着いていないと思われます。
バーボンとシェリー
コナンは極力灰原を安室に接触させまいとしている上に阿笠博士の存在もあってか、安室はこれまで何度か灰原に関心を持っています。
今後、安室が怪盗キッドと接触することがあればコナンとキッドの接点について知るのではないでしょうか。
報道されている範囲ではコナンはキッドキラーの少年としか読み取れません。
しかし、ベルモットがラムに頼まれて工藤優作の調査をしていたことを安室が把握していた場合、ミステリートレイン編でベルモットが察したようなことが安室にも起こり得ると思われます。
なぜなら、ベルモットが起こした行動はキッドとコナンの関係性がなければ成り立たない作戦だからです。
※FILE1058「TVで推理ショー!?」(99巻)〜1060「ショーはこれから」(100巻)にて、ベルモットは優作に成りすましたキッドのフリをしてコナンに接触していました。
→追記。
FILE1078(サンデー2021年36・37合併号/2021年8月4日発売/101巻収録予定)にて怪盗キッドと安室が接触。
「君のその感じ…どこかで会った気がするんだが…」
と安室は尋ねますが
「さぁ…覚えてねぇな…。女の子の顔なら忘れないんだけどね…」
とキッドにはぐらかされてしまいました。
ベルモットはラムの正体を知っているのか
ウォッカやキャンティと同様に、知らない可能性が高いのではないでしょうか。
ラムは変装能力のあるベルモットになりすましをされないように、会ったことがないと考えられます。
組織内で起きていること
APTX4869を飲まされた人物リストが流出
95巻で若狭は「APTX4869を飲まされた人物名のリスト」をパソコンで見ていました。
リストを手に入れた手段は?
ハッキングだと思われます。
若狭は何者なのか
大方の予想通り「浅香」だと考えていますが、個人で活動しているのかどこかに所属しているのかは不明です。→正体が確定したため、詳細追記あり。
羽田浩司と親交があり、彼が殺害された同日に死亡したアマンダ・ヒューズはFBIやCIAに顔が利く米国の資産家でした。
それを踏まえて護衛の浅香が何者なのか以下候補から絞って考えました。
CIA | キールはつなぎ役と連絡が取りづらい状況なので仲間の諜報員である可能性は低いです。 |
FBI | 若狭は単独行動且つ、コナンが新一の幼児化した姿だと把握していると思われるので可能性は低いです。 |
MI6 | メアリーはAPTX4869の解毒薬を必要としていますが、ホテルを転々として隠れ住んでいる本人の代わりに世良がコナンに接近しています。 一方、若狭は小学校教師として隠れ住むこともなく、コナンに接触しているものの観察に留めています。 また、若狭は灰原の幼児化に気づいていなかったので情報共有する関係にない(仲間の諜報員ではない)ことがわかります。 ※メアリーたちは浅香が犯人だと考えておらず「生き証人の彼女を組織が狙っているかもしれない」と浅香が組織に見つかることを危惧しているのだと思われます。 MI6の伝手で浅香の素性や消息を過去に掴んだことがあったのではないでしょうか。 尚、メアリーの夫は羽田浩司の父親と親交があったことにより、事件の調査に関わっています。 さらに羽田浩司の親は角の駒を持っているのは息子を殺した犯人しかありえないと考えていました。 安室(降谷)が受けた公安の研修の時点で浅香についてこれ以上の情報がないということは、浅香とメアリーたちが事件以前からの知り合いである可能性も低いと思われます。 羽田浩司の親からすれば事件を解決するために情報を隠す必要がありません。 若狭=浅香なのであれば、角の駒を若狭が持っていることを公安が知らない=羽田家はそれを把握していないことになります。 羽田浩司の死亡事件について、羽田浩司の父の友人であるメアリーの夫が依頼を受けた=羽田家と情報を共有しています。 つまり、安室が受けた研修の内容がそれ以上ではない場合、羽田浩司個人はともかく羽田家もメアリーたちも浅香とのつながりはないとみるのが自然です。 |
シークレットサービス | アマンダが要人(あるいはその身内)の場合、浅香は護衛なのでその可能性がありますが、アマンダの家族や関係者が浅香を雇い入れた経緯を知らないことからみても、アマンダが要人であった可能性は低いです。 |
NSA | APTX4869を飲まされた人物リストを手に入れていることを踏まえると、浅香がハッキングに長けているのであればその可能性がありますが、根拠には乏しいです。 しかし、アマンダとFBIとCIAがいずれも米国関係なので可能性としては一番あり得る線と考えています。 非常に強い腕っ節を踏まえると、軍隊出身のエージェントの可能性も考えられます。 |
黒の組織 | APTX4869を飲まされた人物リストの中には新一の名前があって、若狭は江戸川コナンが工藤新一だと気づいていると思われますが、灰原の幼児化には気づいていませんでした。 →追記。FILE1070(サンデー2021年4月14日発売)で確信には至らないものの、灰原が宮野志保である可能性に気づきかけています。 つまり、これまでは思い至らなかった(=知らなかった)ことが確定。 同じくFILE1070では若狭が宮野エレーナのことを知っていると判明しました。 また、20年前の時点で組織の構成員だったと思われるベルモットが組織内の鼠として挙げた中に浅香の名前がなかったので(元かどうかを含め)組織員ではないと思われます。 もし仮に組織の裏切り者であったと仮定すると、今度は灰原が浅香の名前を把握していなかったことと矛盾します。 灰原は研究畑とはいえ、組織が長く追う裏切り者であれば灰原の耳に入らないというのも不自然です。 若狭=浅香だとすると若狭の実力ならコードネーム持ちである可能性が高くなるのでなおさらおかしなことに。 少なくともジンは「ラムがぬかった殺し」と認識しているため、ぬかったのが浅香を殺し損ねたことなのであれば、組織の構成員ではなかったことがより補強されます。 |
アマンダ・ヒューズは何者なのか
FBIやCIAに顔が利く米国の資産家。
アマンダは組織の研究の協力者(支援者)だったのではないでしょうか。→※訂正追記あり。
30年前にCIAの一員になった日系2世の米国人、イーサン・本堂はその3年後に日本に入国して組織を探っていました(57巻)
30年前に宮野厚司は白鳩製薬で薬の研究チームの一人として勤めていました(96巻)
烏丸グループが買収に失敗し、25年前に白鳩製薬が倒産。
19年前に宮野夫妻が組織入りした後にAPTX4869が誕生し、17年前にアマンダは口封じのために殺害されたのではないでしょうか。
組織の構成員ではないものの、裏切ったかあるいは情報を得るために組織に接触した可能性も考えられます。
おそらく組織の情報はボディーガードの浅香(=若狭?)に渡っていて、本来であればアマンダとともに浅香も始末される予定だった。
宮野エレーナがヘルエンジェルと呼ばれていたことや毒薬(=APTX4869)の存在を知っていることからもアマンダが情報源であった可能性は高いです。
→※追記。FILE1106〜にて
アマンダが組織と敵対していたことが判明。
アマンダ・ヒューズの正体
- 政府機関や捜査機関と関わりのある米国の資産家。
- 17年前事件当時、大統領選に出馬するという噂が立っていた。
- 浅香の父親がアマンダのボディガードを務めていたことがあり、跡を継いだ彼女とは長年の付き合い。
- 周囲の人間が組織から命を狙われ、何度も脅迫を受けていた。
- そのため、各捜査機関に相談の上で対処するところだったが、組織に先を越され、ついに追い詰められたアマンダはラムが脅迫のために用意していたAPTX4869を自ら服用し、死亡。
若狭と羽田浩司の関係
97巻で若狭は羽田浩司のことを思い出していました。
アマンダと羽田浩司に付き合いがあったので、護衛の浅香も彼とやりとりがあったと思われます。
しかし、恋仲とは限らないと思います。
99巻「ドジと疑惑」で安室(降谷)は公安の研修で得た羽田浩司殺害事件の情報について回想していました。
その中で、生前の羽田浩司が御守りとして肌身離さず持っていた角の駒について遺族は「息子がその駒を手放すわけがない! それを持っているのは息子を殺した犯人しかありえない」と話していたという情報があります。
これにより、少なくとも若狭と羽田浩司の親には関わりがなく、羽田と若狭が知り合いであることは身近な人物ですら把握していないことがわかります。
羽田浩司は日本の棋士として有名人で、浅香は(おそらく)米国で暮らすアマンダの護衛のため、日頃は接点がないことや羽田浩司の親が若狭の存在を把握していないことを踏まえると、恋仲とは程遠い関係だったのかもしれません。
それでも「羽田浩司に恩義を感じている」「羽田浩司が亡くなってから好意に気がついた」「友人関係にあった」という可能性はあります。
二人が恋仲あるいはそれに近い関係であった場合、アマンダが浅香のことを周囲に話していなかったように、羽田も話していなかったと考えられます。
→追記。
17年前、羽田浩司と浅香(若狭)はそれぞれアマンダの友人と護衛として面識がありました。
しかし、浅香の身の上を知った羽田浩司が好感を持っていた程度で親しい関係とは言い難い間柄でした。
そんな中、かねてよりアマンダを脅迫していた組織から命を狙われた浅香は羽田浩司の助けにより命を救われます。
その後は羽田浩司から託されたお守りである角の駒と遺言を心に刻み、組織への復讐を果たすためにその機会を窺っているという次第です。
簡単には表現しづらい複雑な関係ですね。
ただ、この二人には浅香→亡き父の跡を継いで護衛になる、羽田浩司→初志貫徹を座右の銘とし、防戦一方ではなく好戦的な面もある、といったポリシーが似ているという共通点がありました。
浅香が羽田浩司に抱いているのは命を助けられたことによる感謝の念や贖罪の気持ち、一方で羽田浩司は浅香の抱える病気(一過性黒内障)を瞬時に見抜いた上で、彼女の身の上を知り彼女の生き方に好感を持つといった良き理解者になりうる人物でした。
羽田浩司が身を挺して浅香を助けましたが、生きていたら二人は将来的に良好な関係を築いていたのかもしれません。
将棋の駒
若狭が「御守り」という言葉から羽田浩司を想起したということは、角の駒がお守りであると本人から聞いたことがある、ということになると思われます。
若狭は我を忘れるほど義眼の人物に反応しています。
お守りの駒は証拠の品として重要で、ラムに復讐するその日まで持ち歩いているのではないでしょうか。
若狭が羽田浩司の代わりに駒を持ち歩いているのであれば、復讐の代行(仇討ち)を意味しているのかもしれません。
歩美が渡した「幸福」のシンボルである四葉のクローバーを手放しているのは、自責の念や強い信念があって別のお守りを必要としていないのであれば説明がつくと思います。
「初志貫徹」を座右の銘としていたが、棋士としての前途を閉ざすことになった羽田浩司に対する償いといったところでしょうか。
→追記。若狭は羽田浩司から角の駒を託されていたことが判明。
「僕のとっておきの御守りをあなたに託しますから…。「遠見の角に好手あり」ってね! これを持っていれば敵に見つかりにくいし…ずっと睨みを利かせていれば…いつか反撃も出来ますよ…」
FILE1107
それでも僕を殺すと言うんですか?
回想に出てきたのが羽田浩司と若狭とのやりとりなのであれば単純に考えると「自分を殺したところでメリットはない」という意味かもしれません。
状況的にはアマンダとの会話に立ち入ってしまったか、あるいは護衛として振る舞う上で例え話をしていてのやりとりでしょうか。
そうではない場合、もっとフランクな理由の可能性も考えられます。
たとえば若狭と羽田浩司で将棋をおこなって、負けたらどうするだとかそういったやりとりがあったのかもしれません。
- 91巻「若狭先生のヒミツ」では「覚悟はできているか?」「此の世を離れる覚悟だよ…」と強盗犯たちに言っていました。
- 93巻「ブザービーター」で、若狭は歩美を人質にして道連れにしようとした犯人に近づき「刺せよ…」「ホラ刺してみろよ…」「なんなら私が…手伝ってやろうか?」と囁き、挑発します。
結果的には気絶させたり、相手の注意を逸らしていたりしただけですが、若狭は時に口が悪く、好戦的な部分を見せていることは確かです。
若狭の性根が荒っぽく負けず嫌いだと仮定します。
一見すると羽田浩司の言葉は物騒に聞こえますが、表情に緊迫感が見られないことを踏まえると、ただ単に若狭の挑発を受けただけの可能性もあるのではないでしょうか。
若狭が将棋を嗜むかどうかはわかりませんが、これまでコナンよりも先に謎を解いているのでかなり頭が切れることは確かです。
赤の他人同士とはいえ、羽田浩司の両親から夢を託された今は羽田浩司の義弟である秀𠮷がコナンより先に事件の謎を解いていることを踏まえると、若狭はそれと同等で羽田浩司はそれ以上の頭脳の持ち主だったのではないでしょうか。
「それでも僕を殺すと言うんですか?」という言葉の意味が判明。
- 17年前、チェスの大会に参加するために米国を訪れた羽田浩司は交友のあった米国の資産家のアマンダ・ヒューズが何者かから命を狙われていたことをボディガードの浅香(若狭留美)から聞き、巻き込まれるリスクについて警告を受ける。
- その際に発したのが上記の言葉。
- まさか接点すらない自分の命までも狙うような相手なのか、という意味を持つ。
馬鹿な奴
「馬鹿な奴…」とは若狭が羽田浩司の遺体を目の前に呟いた可能性がある言葉です。
97巻「幸運の御守り」で「御守り」という言葉を耳にした若狭は生前の羽田浩司のことを思い起こします。
遺体を目の前にして考えていたであろう言葉「馬鹿な奴…」「馬鹿な…」「馬鹿…」と繰り返し、苦痛のためか右目を抑えてその場で膝をついていました。
89巻「座右の銘」では秀𠮷が由美と電話で話しているのですが、その中で秀𠮷が羽田浩司の名前を出しています。
「『初志貫徹…』僕の義理の兄であり最も尊敬する羽田浩司という棋士が座右の銘にしていた格言です…」
「すみません由美さん…」「男が一度決めた事は曲げたくないんですよ…」
秀𠮷は「七冠を取り万全の態勢で由美タンの返事(※婚姻届のサイン)を待つ…」「それが僕の決めた打ち筋…初志貫徹!!!」とかねてから考えていました。
このことから羽田浩司も若狭に対し、何か約束事をしたのではないかと考えてみました。
若狭は非常に腕の立つ女性ですが羽田はたとえば「自分は男だからいざと言う時は女性を守る」というような話をしたのではないでしょうか。
「馬鹿な奴」という言葉は遺体を前に「自分を守って死ぬことはなかったのに」という意味が隠されているのかもしれません。
→※追記。羽田浩司が浅香を助ける際に残した言葉が判明。
「え? 君を助ける理由ですか? それはもちろん…僕がそうしようと決めたから…初志貫徹です!」
FILE1109「女王の謀」
苦痛を感じている様子なのは解離性障害や心的外傷後ストレス障害(PTSD)といった類のフラッシュバックで頭痛が起こるのではないでしょうか。
→※追記。若狭の症状は17年前の事件以前からの一過性黒内障が原因と判明。
※ちなみに、公式情報でキャラクターの強さランクの中で若狭は「?」となっています。
説明文内には「女性最強候補!?」とまで書かれていて、蘭と世良がランクB(参考:京極が特A/安室はA/服部がB+/小五郎と和葉がB)です。
キッドとコナンも「?」なことを踏まえると今後も謎のままかもしれませんが、若狭は暗闇で相手のふいをつき、地の利があったとして少なく見積もってもB+かA、更に上ならA+(参考:沖田はA+)ではないでしょうか。
となると自ずとラムの実力も測れるというわけで、ラムは最低でもAかそれ以上のA+といったところではないでしょうか。
若狭の性格
基本的に合理主義な反面、好戦的な気質だと思います。
- 99巻「不気味な牧場」ではバスに乗り合わせた乗客と光彦がトラブルになった時にコナンは若狭の様子を窺っていましたが、彼女が介入することはありませんでした。
(RUM候補は動かずか…。しゃーねぇ麻酔銃で…)
この時、コナンは若狭の人間性でラムかどうか見極めようとしていたと考えられます。
過去の話を振り返ると
- 91巻「スキュタレー暗号」/「解読不可能!?」/「若狭先生のヒミツ」
コナンが暗号を解けるのか確かめるためなのか、若狭は時間割を破いてコナンにヒントを与えます。
そして、ドジで臆病な教師として振る舞い、探偵団に接近。
帝丹小学校の古い倉庫内にある地下室の中に白鳥警部と探偵団が閉じ込められ、1人転倒したフリをして地下室に入らなかった若狭は強盗団3人を倒します。
この時、初めて彼女の好戦的な部分が判明。
「覚悟は出来ているか? 此の世を離れる覚悟だよ…」
- 92巻「若狭先生の自宅」/「白い手の女」/「真っ白な気持ち」
若狭は隣人が恋人と揉めていたところを偶然見かけます。
その日、若狭の自宅マンションに招かれた探偵団一行は例によって事件に立ち会うことに。
「これが最後の晩餐になる…とか…」
「別れ話…ですよね?」
「い、いえ私の聞き間違いだったかも…」
コナンは若狭の部屋で、座布団と床の間に挟まっていたコンビニのレシートを発見。
この時発見したレシートにより、事件が起きることを若狭が予期した上で急遽探偵団を自宅に招く準備をしていたことにコナンが気づきます。
「そういえば若狭先生…。今朝、珍しく遅刻してたけど…。どうして?」
強盗団を倒した時と同様に、向かってきた犯人を転倒させ、こめかみに肘鉄を入れて相手を失神させています。
マンションを訪れていたマスコミの取材を受け、後日新聞やネットニュースに記事が掲載され、報道内容はラムの目に留まりました。
「へぇー…。こいつァトンチが利いてるねぇ…」
- 93巻「ティップオフ」/「ヴァイオレーション」/「ブザービーター」
探偵団一行と若狭はキャンプ場に行くことに。
(若狭留美先生…。帝丹小学校1年B組副担任…。先日、たまたま先生のマンションにオレ達が呼ばれ…偶然、隣人の殺人事件に出くわしたと思ったけど…。
あの時、先生の部屋で見つけたその日の朝のコンビニのレシートにはオレ達分の皿やマグカップまで買い足してあった…。
つまりあの朝、隣人が殺人を犯す事を察知し…オレ達をそれに遭遇させる為に…わざと屏風を汚しその描き直しを手伝わせる理由で部屋に招いたんだ…。
いや、オレ達じゃない…。狙いはオレか!?
そもそも、古い倉庫で見つかった白骨死体事件の時も…何年も開けられていないはずの地下への扉のサビがはがれた跡が真新しかった…
アレも先生があらかじめ白骨死体を見つけた上で…オレを事件にかかわらせるように仕向けたとしたら…まさかこのキャンプも…)
尚、このキャンプに関しては同行するはずだった阿笠博士が風邪を引いて急遽代打となったために、若狭が意図していたものではありません。
しかし、事件が起きて若狭はさりげなくどんぐりのやじろべえを作り、コナンにヒントを与えます。
この時、若狭が笑みを浮かべたのはコナンの洞察力についてますます確信を得たからではないでしょうか。
事件のトリックは判明するのですが、歩美が犯人の人質にされてしまいます。
「私の児童から手を離しなさい…」
「どうしても離さないと言うのなら…刺せよ…。
ホラ、刺してみろよ…。なんなら私が…手伝ってやろうか?」
若狭は犯人にだけ聞こえるように挑発し、隙ができたところを黒田が捕らえました。
咄嗟のこととはいえ「刺せよ」とまで言える人物が涙を浮かべたのはなぜなのか。
犯人に対峙していた時、眼鏡越しに右目だけが見えない描写がされているため本気にしろ演技にしろ感情で涙を浮かべていたかどうかは判然としません。
もしかすると、目の病気が理由の可能性もあるかもしれません。
- 97巻「ドジだから」
コナンが山村警部に麻酔銃を打ち込んでいるところを見ていた若狭は笑みを浮かべていました。
これは眠りの小五郎の仕組みについての「なるほどそういうことか」という意味ではないでしょうか。
歩美から幸運のお守りとして四葉のクローバーを受け取った若狭は礼を言って受け取りますが、さりげなく手放しました。
それを見ていたコナンはその後も依然として若狭への警戒心を持っています。
しかし、前述の通り若狭の行動を怪しんでいても若狭のいるところで麻酔銃を使用しているためまさか「工藤新一=江戸川コナン」を確かめるために近づいてきているとは考えていないと思われます。
ドジな人間を演じているのは
- 「目が悪いことによって行動に支障が出た場合、他人にそれを悟られにくくする」
- 「自分の意図で状況をコントロールしていることを悟られないようにする」
- 「時に相手の油断を誘いやすい」
ためだと考えられます。
99巻「ドジと疑惑」では元太から話を聞いて角の駒を安室が拾ったことを知り、それを秘密裏に取り返すために警察に連絡できないよう、ドジを装って携帯を水没させています。(※)
狙い通り、牧場の事務所内の地下室でふいをつき、気絶させた安室から駒を取り返したので、捜査現場の証拠品として回収されることはなくなりました。
尚、この行動によって、若狭は安室が警察官だとは知らないことがわかります(警察に回収されなくても見られたこと自体が問題だが、強制的に奪ったということは相手が公安の警察だとは知らないことを意味している)
バスの中で若狭が安室を見ていたのは単にコナンの知り合いの探偵だから気になったというところではないでしょうか(あるいは安室の隠し撮りに気づいていたか)
※ポケットに穴が空いていることを指摘されるまでは警察に連絡しようとしていましたが、元太の話を聞いてからはスマホを取り落としています。
※ほかにも、施錠されている屋内に入る必要があり、転んでぶつかったはずみで窓ガラスを肘鉄で割っているため、こちらもわざとやっていることだと考えられます。
記憶
前述の通り「御守り」という言葉を聞いた若狭は羽田浩司に関する記憶を呼び起こし、右目を押さえていました(97巻)
17年前の羽田浩司殺害事件で現場に居合わせた浅香がラムと格闘し、その時の負傷が原因で右目が悪いと仮定します。
さらに記憶を失っていたとすれば、身体が回復してある程度記憶を取り戻すまでに時間がかかり、動き出すまで17年という年月が経過したことの説明がつくと思います。
単に組織を追っていて17年が経過した可能性もありますが。
93巻「ヴァイオレーション」で若狭が黒田を凝視していました。
「……」
「先生…。先生? 若狭先生!!」
93巻「ヴァイオレーション」
若狭は記憶を辿るのに夢中で、歩美の声すら耳に入ってこなかったのではないでしょうか。
ラムの顔を知らない?
前述の通り、若狭は黒田の右目が義眼なことを知ってか、ものすごい形相で見ていました(93巻)
一方、黒田は若狭が殺人事件を起こしたプロゴルファーを撃退したネットニュースを見て、キャンプ場に訪れています。
93巻で若狭は黒田に対して以下の質問を投げかけています。
- 「誰か気になる人でもいらっしゃったんですか?」
- 「私をご存知なんですね?」
若狭がニュース記事に自分の名前と顔が掲載されることを意図していた場合「右目を失っている黒田を見て反応する」ということは黒田のことを一方的に知っている場合を除けば、(ラムの義眼は「左目」なので)ラムの顔を知らないことを意味しているのではないでしょうか。
義眼であることは知っているものの、容貌については知らない、あるいは記憶が定かではない(記憶を喪失している)のかもしれません。
もしくは、第三者に「ラムは左右どちらか片方の目が義眼という特徴を聞いている」可能性も考えられます。
→追記。尚、FILE1070(サンデー2021年4月14日発売/101巻収録予定)で若狭は宮野エレーナのことを知っていると判明したので、正確にどのタイミングからなのかはわかりませんが、組織内部の情報を手に入れている人物であると確定しました。
→再追記。FILE1107〜にて浅香はラムの声は聞いたことがあると思われる描写あり。
ラムの義眼について
ラムは17年前に負傷している可能性が高いのではないでしょうか。
86巻で灰原とコナンがこんなやりとりをしていました。
「無くした?」
「ん?」
「そーいえばみんな口をそろえて言ってたわ…奴には片方が無いって…」
「奴?」
「ラムよ…何かの事故で目を負傷して左右どちらかの眼球が義眼らしいわよ…」
86巻「命を賭して」
89巻で、同じく灰原とコナンの似たようなやりとりが思い出されます。
「ねぇ…あなた知ってる? 羽田浩司…」
「ああ…七冠王に一番近いと期待されてた天才棋士だったけど…趣味でやってたチェスの大会に出場する為に渡米してて…その最中に何かの事件に巻き込まれて亡くなったんだよな?」
89巻「」
→追記。
FILE1106〜1109までの話を踏まえると、何かの事故は17年前の事件よりも後に起こった出来事だと確定しました。
灰原が若狭のことを好きだからと言った理由
不明ですが、思いつくことを挙げてみます。
- 歩美を助けたから
- 義眼ではないと判断できたから
- 17年前に起きた事件について仮説を立てている
- コナンをごまかしている
灰原は羽田浩司事件についてコナンや阿笠博士と話していた時には浅香については聞いたことがないが組織の人間だと考えていました(89巻)
しかし、93巻で若狭の「義眼」の人物に対する殺気のようなものを感じた時に「組織の匂い」を感じ取り、ラムが羽田浩司を殺害した事件の犯人で、若狭の正体が浅香だと考え直したのかもしれません。
灰原は若狭の右目が見えていないと気づいた後、若狭の方を何度も見ています。
- 黒田と若狭が話している最中
- どんぐりのやじろべえを探偵団が作っているのを若狭が見守っている最中
この時点では義眼かどうかを確かめる術があったかは自分には読み取れませんでした(見た目でわかりそうな気がしますが)
しかし、黒田は右目が義眼なので黒田に対する若狭の発言から何か読み取ろうと考えていたのではないでしょうか。
「好きだから…」=敵の敵は味方になりうると考えているのかもしれません。
若狭が安室から将棋の駒を取り返したことに気づいていたようですが、灰原は何も触れませんでした(99巻)
※尚、若狭が持っていた探偵バッジは犯人が手放した隙に拾ったのだと思われます。
犯人が殴ろうとした時にはすでに地面に放られていたのではないでしょうか。
若狭はおそらく警察を呼ばないためにわざと自分の携帯を水の入ったバケツの中に落としていたことを踏まえると、誰にも知られず駒を回収したかったと思われます。
灰原は元太と若狭の会話を聞いているであろうことと、犯人たちがいた現場にあったはずの探偵バッジが地下室に落ちていたとしたら、なおさら若狭が安室を気絶させたのだろうとあたりをつけたはずです。
灰原は以前(95巻)工藤新一について若狭から尋ねられているため、コナンの幼児化に若狭が気づいてると仮定して、どうして知っているのか様子見しているのだと思われます。
下手に遠ざけようとすれば自身が元組織の一員だとわかってしまう可能性があります。
組織に追われている可能性のある若狭を味方につけるべきか、ひたすら隠すべきか考えあぐねているのかもしれません。
それだけでなく、シンプルにラムなら自分がシェリーだとすぐに気づくだろうと考えているでしょう(黒田に対してはそういう見解でした)
皆殺しに合わない時点で疑う対象からは外れると思います。
特に灰原は初対面の際に疑いを持っておらず、若狭の自宅に探偵団一行が招かれて若狭が犯人を撃退した時も無警戒でした。
右目が見えていないことに関しては若狭が涙を浮かべていたので義眼ではないと考えた可能性もあります。
単に組織の人間なら歩美を助けたりはしないだろうと考えるのも当然と言えますが「好きだから」という病理的なことに詳しいはずの灰原らしくない返答だったのはコナンにこれ以上追及させないためではないでしょうか。
93巻「ヴァイオレーション」で歩美を見失った時、辺りを見回している様子を見て灰原とコナンは若狭の右目が見えていないことに気づきました。
(この人…右目が見えてない!?)
人間は正面をまっすぐ見た状態で固定して、上方60度、鼻側60度、下方70度、耳側100度の範囲を片目で見ることができるそうです。
そのため「右目」と断定しているのは若狭の右横に歩美が立っていたからということになりますね。
ここからは単なる想像なのですが、右目が見えないだけではなく若狭は光覚障害(明るさを区別することが苦手な症状)を持っているのではないでしょうか。
暗いところから明るいところへ移動した時に適応するまで時間がかかったり(明暗順応障害)夜盲症(夜になると全く見えなくなる)の反対、逆に明るいと眩しくて対応できない場合もあるそうで、若狭に似ているのかなと思いました。
視力に問題ないと思われる安室ですら99巻「強いのは…」で地下室で若狭の初撃を躱した後、二発目は躱せませんでした。
一方、若狭は真っ暗な地下室で安室の姿を確かに捉えていることになります。
扉を閉める前に安室の姿を見ていて、自身の蹴った足が相手の腕に当たっているのでおおよその立ち位置の見当はつくとは思いますが、確実に間合いを詰めて相手を気絶させるほど正確に狙えるということは若狭の場合、他人より暗闇に目が慣れていると考えた方が自然です。
精巧な絵が得意(屏風に描いた虎が上手い)なことや狙う対象を正確に捉えていることから空間認知に問題はないと思われます。
【91巻をおさらい】
- 教室に入って挨拶した時、教卓に頭をぶつけた時は教室は明るかったと思います。しかし、コナンが若狭の家に招かれた後疑いを持ち推理していたように、子供たちと初対面のためドジな印象を植え付けるための一手だったと思われます。
- 古い体育倉庫の中に入った時、倉庫の電球は完全に切れていましたが探偵団の腕時計型ライトが光源になっています。頭を地下室の扉にぶつけた時はコナンが照らしたライトが強く光っていた時でした。
- 強盗団の一人に白鳥警部が襲われた後、灰原が「どうしたのよ? こんな奴ら…いつもの麻酔銃とキック力増強シューズでやっつけちゃいなさいよ!」とコナンに耳打ちします。灰原の疑問に対し、コナンは「この暗闇の中だと麻酔銃がちゃんと当たるかどうかわからねーし…。ボール射出ベルトのボールは、この地下室に閉じ込められた時の為に温存しておいた方がいい…」と言っています。
- 若狭は階段で滑ったと見せかけて地下室の扉を持ち上げていた一人の強盗犯に肘鉄を入れます。その後、支えのなくなった扉は閉まって後は一人の持っていたささやかな懐中電灯の明かりしかありませんでした。
【92巻をおさらい】
- こちらは暗所は関係ありませんが、明るさに変化がないので普通に活動できても自然だと思います。おまけで言うと、91巻で強盗犯を気絶させた方法がより明らかになっています(肘鉄でこめかみを狙って転倒させた。タイの古式武術?若狭は軍隊出身者のNSAなのかもしれません)
【93巻をおさらい】
- 若狭が出てこない話ですが「待ち合わせは喫茶ポアロで」の中で、停電後に伊織が誰も店外に出さないよう出入り口に立っていたことについて平次は「夜目が利くんやなぁ」と言っていますが、伊織は「携帯の明かりをわずかな光源とした」と答えていました。この事件の中でも犯人は入念な準備をして暗闇の中で犯行計画を実行。この事件だけではなく過去の事件を遡っても、やはりコナンの世界において暗闇で行動するのは容易ではないという描写は一貫しています。例:東都現像所事件では犯人が現場に元々あった蛍光テープを利用している、など
FILE1103〜にて
若狭留美(浅香)の右目が見えていない理由が判明。
怒りや過剰なストレスが原因による一過性黒内障を患っている(※)と判明。
幼少期に目の前で父親を亡くした経験が発端と考えられるもので、17年前の事件前の時点ですでに右目が疼いていたことから現在に至るまで繰り返し続いているとわかりました。
※一時的に血栓ができることにより起きる症状だが時間経過で視力低下が元に戻る
若狭の行動
副担任になった目的
副担任就任は「江戸川コナンが工藤新一と同一人物」かどうか確かめるためだと思われます。
こちらに色々書きましたが、おそらくAPTX4869を飲まされた人物名リストに掲載されている人物を一人一人調査した上で、新一の素性を調べた後に新一の幼少期と瓜二つな「コナンがキッドキラーとして活躍している」報道を知り、同一人物ではないかと帝丹小学校に調査しに来たのではないでしょうか。
ちょうどタイミング的にキッドが登場した回の後に若狭が登場しています。
キッドが登場したのは91巻「木神」〜のシリーズ。
コナンはわざわざ大々的に予告していた次郎吉に呼ばれて協力しています。
この時、報道陣はいなかったかもしれませんが、客入れはしていたので、後に報じられた可能性はあります。
若狭は初対面の回でドジを装って時間割を破り、コナンに推理力があることを確認しています。
現状は「義眼の人物の捜索」または「コナン(=工藤新一)に近づく人物を観察」しているのではないでしょうか。
そうであれば鳩山牧場に行く道中のバスで出会った安室に対する視線にも一応の筋は通ります。
観察していれば義眼ではないとわかるでしょうし、若狭は偶然駒を落としただけで黒田に対してとは違い、安室に対しては何か含むところはなかったと思われます。
工藤新一はAPTX4869を投与されているので東京(米花町近辺)に組織が現れる可能性があると考えるのが自然です。
毛利小五郎に近づかないのは眠りの小五郎のトリックを看破しているので無意味だと考えていて、過去には隠れて監視していたのかもしれません。
コナンに見つかるリスクが高いので副担任になってからは迂闊に近づけないと思われます。
だとすると脇田の存在に気づかないのも無理はありません。
若狭が組織の人間ではない場合、シェリーのことは知らない上にコナンが組織とやりあって結果的に小五郎が疑われていることを知りようがないので脇田にも近づいていないと考えられます。
→追記。FILE1072「6年A組の人気者」にて、帝丹小学校に出前を届けに来て帰っていく脇田の後ろ姿を若狭が教室の窓辺から視認しました。
しかし、両親や自身がAPTX4869の開発に関わっていたと知れたら灰原はまずそうですね。
意外と敵対化はあるかもしれません。
あるいは敵対化まではしなくとも、ラムを誘い出す囮にされる可能性があると思います。
羽田浩司のことが関係あるかどうかは別にしても若狭は非常にドライ、目的のためなら手段は選ばないタイプに見えます。
合理的なのでかえってコナンと灰原の助けになる可能性もありますが、将来的に三つ巴かそれ以上の展開になるかもしれません。
もしも若狭と敵対、またはトラブルに巻き込まれるとしたら、助けになるのが若狭と接点を持った黒田と安室ということになるのではないでしょうか。
とんちが利いてるとは
92巻で若狭がプロゴルファーを撃退したニュースを新聞(よく見ると、おそらく「留美先生大手柄」という文字が書かれた大きな記事があります)で読んだ脇田は「こいつァトンチが利いてるねぇ…」とつぶやきます。
若狭留美という名前をローマ字に変えると重複はしますが、この名前の中に「KARASUMA(烏丸)」「ASAKA(浅香)」「RUM(ラム)」という言葉が含まれています。
さらに「KARASUMA」の文字を取り除くと「W」「I」が残り、おそらく浅香がやったと思われる17年前残されたダイイングメッセージの手鏡をヒントに反転させると「IM」となり、並べ替えると「RUM IM ASAKA(ラム、私は浅香だ)」という挑発のメッセージとなります。
「とんちが利いている」というのは単にアナグラムのことを指しているだけではなく、事件が起きたことに乗じて自身(若狭)の名前に込めたメッセージと現在の職業をまんまと報道させたことかもしれません。
ほかにも、漢字表記についてはAPTX4869の効能について知っているというメッセージの可能性もありますし、美國島の場所を指している可能性もありますね。
浅香(アサカ)を調べる理由
前述の通り、若狭はAPTX4869を投与された人物名リストのデータを手に入れています。
89巻「握られたハサミ」でコナンは羽田浩司とアマンダ・ヒューズが死亡した事件についてインターネット上の情報を見つけ出しました。
「誰かが定期的にネットにアップしてるみてーだぜ?」「削除されるのをお構いなしに…」「まるで誰かこの謎を解いてくれって…言わんばかりにな…」
おそらく、ネットに情報をアップしているのは浅香(若狭)ではないでしょうか。
組織はAPTX4869投与者リスト(データ)が流出して、羽田浩司とアマンダ・ヒューズ殺害事件情報をネット上に載せているのとリストを手に入れた人物が浅香だと確信し、急遽浅香の情報を収集することにしたのだと思われます。
早速浅香について調べていた組織は堀田凱人に目をつけますが、霊魂探偵事件(90巻)に毛利小五郎が関わっていることを知り、組織内にいるかもしれない鼠と毛利小五郎と浅香の三者に関わりがあると睨んだのではないでしょうか。
続いて、ベルモットを通してバーボンの元にアサカに関する情報の調査要請(波土禄道の曲「ASACA」)が舞い込みます(90巻)
結果、波土の調査は空振りに終わり、いよいよ脇田は毛利探偵事務所の隣にある「米花いろは寿司」で毛利小五郎に接触することになったのだと思われます(92巻)
その後、脇田は若狭に関する報道(新聞記事)を目にしましたが(92巻)、若狭が手に入れたリストは暗殺の証拠で組織の研究にも関わるため誰がどこまで組織の秘密を知っているか確認するまで浅香の居場所がわかっていても迂闊に近づけないのではないでしょうか。
→追記。FILE1072(サンデー2021年4月21日発売)で若狭が勤務している帝丹小学校で同窓会をしていた卒業生から注文を受けたので脇田は出前に行きますが、若狭とコナンと灰原の誰にも対面していない状態です。
「帝丹小学校19期生はあの宮野明美だが…死人が来るワケないか…」
帝丹小学校の卒業生でもある明美はすでに死亡しており、若狭が教職についた理由がわからず、深追いはしなかったと考えられます。
このことから現時点では組織は幼児化の可能性に気づいていないことがわかります。
組織内の鼠
現在においてもシェリーが逃げ出せた理由については依然として不明なままであると思われます。
幼児化がわかっていれば、片っ端から子供を捜索すればいいだけの話。
それができていないということは、組織は幼児化、つまりシェリーが逃げ出せた理由についても未だ掴めておらず、浅香が動いたことでシェリーの逃亡を手助けした組織内の鼠と浅香が通じているのではないかという推測を立てていると考えられます。
しかし、シェリーが逃げ出せたのは誰かの協力があってのことではなく、幼児化したことが原因のため、探したところで以前と同じく組織内の鼠は一向に見つかりません。
そうなると、今度は”尻尾を掴ませない可能性の高い”幹部クラスが疑われている段階になると思われます。
要は「疑い(証拠)のないところ」から潰していく、ということに。
そうなると、疑われる確率が高いのは工藤新一に関しての情報を即時渡せていないであろう「バーボン」と毛利小五郎を庇った「ベルモット」になると思われます。
FBIが生存していることが万一ばれた場合は「キール」もでしょう。
今のところ三人とも適材適所で作戦には従事しているようですが、今後もラムが揺さぶりをかけてくる可能性は高いと考えられます。
作戦行動を利用して、裏切り者かどうかを炙り出す。
状況はFBIがまんまと釣り上げられた2年前とよく似ていると思われます。
ラムがただの老人のフリをしてその場にやってきたということは元々完全な信用を得られていなかったことを意味しています。
4年前、イーサン・本堂が娘のキールに対して説明していたように「新人につける鈴」といって組織が発信器をとりつけていたことと似たようなもので、元々組織には常に疑わしい者を炙り出すという意識が根付いていると思われます。
大事とは
- 96巻で黒田は安室との電話の最中「大事の前だ…」「余計な火は消しておくに越したことはないからな…」と口にしていました。
- その後FILE1062「計略の街角」(サンデー2020年10月14日発売)ではジンが「大事の前だ…」「邪魔なハエ共は1匹でも多く…」と言っています。
新情報が出たら見直しますが、とりあえず現時点での「大事」についての予想は以下の通りです。
組織 | 組織内の鼠を炙り出し、毛利小五郎と浅香がどこまで知っているか突き止めることだと思われます。 もう少し直接的に言うと、ゆくゆくは毛利小五郎の暗殺を予定していると考えられます。 |
公安 | 組織の大捕物。 「安室が疑われたとしても、相手が探るために近づいたところを捕獲」といったところだと思います。 |
注目した点は「邪魔な人間を一人でも多く始末する」と組織が考えていることです。
FILE1061〜1066の「FBI連続殺害事件」シリーズの前、FILE1060(共に100巻収録)ではラムの依頼を受けたベルモットが「今後、組織の脅威になりそうな人物が日本に留まっている理由を探る」という目的で工藤優作を調査していたことが判明しています。
作戦の見通しの甘さからいってベルモットの本音かどうかはさておき、優作について「必要とあらばいつでも殺せる」とまで話しているため、組織内では排除すべき人物について目をつけている段階だと考えられます。
ウォッカに存在を認知(※平次はベルモットがシェリーを暗殺するために障害となる新一を誘き寄せようとしたハロウィンパーティーで、ベルモットの策を見抜いていた新一に成り済ました)されている上に、新一の目撃情報があった修学旅行先の京都にもいました。
取材ではごまかしていますが、二度も新一と関わりがあることを強調した形になったので、組織が狙うべき対象に含まれている可能性は十分にあります。
ただ、彼は警察関係者(※新一と違い、警察官の身内がいる)のため、慎重にはなるでしょう。
水無伶奈(キール/本堂瑛海)が関西にいたこともあるので、組織が関西に活動拠点を置いている可能性は高いですが、大阪府警の目の黒い内でも活動するのかどうかは未知数ではあるものの、組織がことを起こすとしたら関西圏になると思われます。
組織を退ける流れで平次と和葉の関係に進展がみられるのなら、大阪でドンパチの可能性もあるかもしれません。
もし、関西で色々と繰り広げられるのならそこに大岡家も絡んでくるのではないでしょうか。
SDB(70+)
Q.「黒ずくめとの最後の対決の時は、平次もちゃんと呼んでくれると平次ファンとしては嬉しいです。」
A.「ですねぇ。呼びたいですねぇ。」
Q.「服部平次君は黒ずくめの話に出ないのですか?」
A.「ハロウィンパーティーの回で、ウォッカの前に身を晒してるよ。危ないですよ、あいつ。」
SDB(80+)
Q「服部平次と黒ずくめの組織の対決を描く予定はありますか?」
A「そうだねぇ…どうなんでしょうねー。」
SDB(90+)
Q.「若狭先生や大岡紅葉はこれからのストーリーに大きく関わってきますか?」
A.「くるに決まってんじゃん!」
SDB(JUSTICE+)
Q.「平蔵と銀司郎コンビが大活躍の話が見たいです!」
A.「見たいねぇ♪」
組織の動き
85巻で「組織内に鼠が入り込んで来ているのをジンが問題視している」ことが判明しています。
組織が調べている(と思われる)対象者は「毛利小五郎」「工藤新一」「浅香」「工藤優作」です。
備考 | ・ジンの車にコナンが盗聴器を仕掛け、APTX4869で暗殺がおこなわれることを阻止するために追尾。 灰原も同行していたためシェリーに協力者がいるとみられていました(24巻) ・コンピュータープログラマーの板倉卓が組織と関わっていることを知り、コナンは電話で板倉に成り済まし組織を待ち伏せします。 その際に指紋を取ろうと細工したり、発信器を仕掛けていたため、ジンは何者かが嗅ぎ回っていることを知ります(38巻) |
毛利小五郎 | ・キール(水無伶奈)にピンポンダッシュ事件の調査を依頼され、接触(48巻) ・コナンの発信器付き盗聴器が偶然靴底に張り付いたことが起因し、一時命を狙われました(49巻) FBIが介入し、判断材料が足らなかった上にベルモットの庇い立てもあり、その場は収まります。 ・コナンはFBIの警護を避ければ小五郎への疑いが晴れると考えていましたが、バーボン(安室透/降谷零)が探偵として小五郎に接近します(75巻) ・小五郎が霊魂探偵事件解決に関わったことを組織が知り、再び疑いが強まりました(90巻) ・脇田(ラム)が毛利探偵事務所の隣にある「米花いろは寿司」の板前として小五郎に接近します(92巻) |
工藤新一 | ・修学旅行に参加するためにAPTX4869の解毒薬を使って元の身体に戻った状態で事件を解決。 新一の目撃情報がSNSで広まったことでニュースで取り上げられて脇田(ラム)の目に留まりました(95巻) ・脇田(ラム)は工藤邸に殺到した取材陣について触れ、何か知っているか隣家に住む阿笠に尋ねます(95巻) ・バーボン(安室透/降谷零)はメールで「工藤新一の情報」をラムから要求されました(95巻) |
浅香(若狭?→※確定) | ・「浅香」はFBIやCIAに顔が利くとされる米国の資産家、アマンダ・ヒューズの護衛をしていた女性です。 ・17年前、米国で棋士の羽田浩司とアマンダが謎の死を遂げ、浅香は失踪。 犯人は見つからず事件は未解決。 APTX4869を飲まされた人物のリストに羽田浩司の名前が記載されていることが判明(89巻) ・ラムがぬかった殺人事件であることもわかっています(90巻) ・組織の意向でバーボン(安室透/降谷零)とベルモットは「アサカ」に関することと疑い、波土禄道を調査しますが、空振りに終わります(90巻) ・脇田(ラム)は新聞で殺人事件を起こしたプロゴルファーを若狭が撃退した新聞記事を確認。 「こいつァトンチが利いてるね…」と呟きます(92巻) ・帝丹小学校に出前を届けに来た脇田(ラム)は若狭と対面しないまま去りますが、若狭の方は灰原が脇田の気配に強烈な組織のにおいを感じて怯えている様子を見て、校庭を後にする脇田の後ろ姿を教室の窓越しに確認します(FILE1072「6年A組の人気者」サンデー2021年22・23合併号/2021年4月28日発売/101巻収録予定) ・本名はレイチェル・浅香と判明。 現在37歳。アマンダと羽田浩司が死亡した17年前事件当時は20歳。 子供の頃に浅香の父親がアマンダ・ヒューズの護衛をしていましたが、アマンダの身代わりに死亡。孤児となった浅香は父親にひけをとらない武器と格闘の実力を得た後、父の跡を継いでアマンダのボディガードの一人となりました。 しかし、かねてより組織から脅迫を受けていたアマンダが組織から浅香の身の安全を条件に取引を持ちかけられた際、自らAPTX4869を飲んで死亡。取引が無効になった上にラムの声を聞いてしまった浅香はラムから命を狙われるも羽田浩司と黒田兵衛の助けもあって難を逃れました。 ・キャンティとコルンを連れたラムから命を狙われましたが、これを撃退。 ・引き続き、若狭留美として帝丹小学校で副担任として灰原を探りつつ、自分の身代わりとなって死亡したアマンダと羽田浩司の仇を討つために組織へ復讐を果たす機会を虎視眈々と狙っています。 |
工藤優作 | ベルモットは「今後組織の脅威になりそうな人物」として、優作が日本に留まっている理由を探るようラムに依頼を受けていました(FILE1060「ショーはこれから」サンデー2020年39号/2020年8月26日発売/100巻収録) |
FBI | 組織の一員を尾行していたFBI捜査官を皮切りに、計7人が殺害される(FILE1061「血染めのID」サンデー2020年45号/2020年10月7日発売/100巻収録) |
アマンダ・ヒューズ(17年前) | ・アメリカの政府機関やFBIやCIAに顔が利く米国の資産家女性。 ・17年前当時、大統領選に出馬する噂があった。 ・日本の公安警察にもコンタクトをとっており、17年前事件当時は本格的な捜査会議の前に黒田と面会する予定でした。 ・過去に若狭留美(本名:レイチェル・浅香)の父親がアマンダのボディガードを務めていましたが、命を狙われたアマンダの盾となり、当時まだ子供だった浅香の目の前で死亡。 その後、浅香は父親の跡を継いでアマンダの護衛になることを希望。 浅香の母親は病死しており、浅香の父親に恩義のあるアマンダは孤児となった浅香を単なる護衛としてだけではなく実の娘のように想い、そばに置いていました。 ・日本人の母を持つ浅香から日本語を習得したアマンダは日本の天才棋士・羽田浩司交友関係を持つように。 ・50年前、日本の大富豪・烏丸蓮耶のパーティーに出席した際に当時まだ子供だった頃のラムと面識があると判明。 ・かねてより組織から周囲の護衛やその家族の命を狙った脅迫を度々受けていたアマンダは17年前の事件当時、FBIや公安にコンタクトをとっていたものの、組織に出し抜かれてしまいます。 ラムから浅香の命を盾に組織と取引するよう脅迫を受けたアマンダは本来であれば脅しの手段でしかなかったAPTX4869を自ら服用し、死を選ぶことで浅香を守りました。 ・死の間際、「警戒しろ」という意味のダイイングメッセージを現場に残しており、コナンがそれを解き、黒田と情報共有しています。 |
羽田浩司(17年前) | ・アマンダと友人関係でもある日本の天才棋士で、17年前はチェスの大会に参加するために渡米。アマンダとは会う約束を事前にしていました。 ・浅香の身の上を知った羽田浩司は彼女に対し好感を持っていました。 ・身の危険を察知したアマンダが浅香を急遽羽田浩司の元へ遠ざけますが、浅香から事情を聞いたことでアマンダの意図を悟った羽田浩司はアマンダを助けに戻ろうとした浅香を半ば強引に保護することを決意。その際、自身の大事なお守りである角の駒を浅香に託しました。 ・過去にラムが烏丸蓮耶の代理で国際経済フォーラム年次総会に出席していたネットの記事写真を記憶しており、ラムに二度目の対面をした際は直接追及していたほど記憶力の優れた人物。 ・浅香の行方を探していたラムを退け、APTX4869で殺害されてしまいますが、死の直前、現場に烏丸を意味するダイイングメッセージを残しました。 |
黒田兵衛(17年前 ※生存) | ・17年前、本格的な捜査会議前の顔合わせとしてアマンダに面会する予定があったため渡米したが、連絡する前にアマンダが組織に殺害されてしまい、急遽浅香を匿うことに。 ・組織から追われ、車で逃げている最中に飲酒運転と信号無視のトラックと激突。その際に車が爆破炎上した事故で火傷を負い、しばらく昏睡状態で入院していた。 ・事件現場の写真をコナンに見せ、アマンダが遺したダイイングメッセージの意味を知る。 ・ラムについて「蛇の目を持った」印象の男と当時見たことをコナンに伝えている。 ・若狭留美が浅香ではないかと疑っているが、若狭の態度から自身がアマンダと羽田浩司殺害犯と未だ疑われていると認識していた。 ・若狭(浅香)が何かをしでかすつもりだと察したコナンとに同行し、西トピアに駆けつけた。 ※その後は未登場のため、現在の動きについては不明。 |
共通点
(FILE1060にて)ベルモットが工藤夫妻に向かわせるよう仕組んだイタリアンレストランの一件で触れられていた、ジスチグミン臭化物を摂取した時の症状は食中毒のような「悪心、嘔吐、腹痛、下痢、発汗」で思い起こしたことがありました。
58巻で組織が杯戸中央病院に患者を殺到させるために異臭騒ぎ、火事と同時期に引き起こした食中毒騒ぎについても「それ(食中毒)に似た症状の出る毒薬を使った」とみられていました。
一連の作戦はラム発案かもしれません。
いよいよ
目撃証言は間違いで「工藤新一は間違いなく死亡している」と片付けてしまうところをラムが追っているのは、若狭の持っているAPTX4869のリストに新一の名前が記載されているからだと思われます。
現段階では新一の生死について疑ってはいないとしても、いずれ生存に気づく展開が訪れそうです。
ラム自ら危険を冒して動いてるのは組織のことがどこまで露見しているかを確かめるためと、更に情報が流出する前に知っている人間を特定して、一網打尽にしたいからだと考えられます。
尚、工藤新一死亡説が覆される時はデータを書き換えたのがシェリー(宮野志保)であることもバレている可能性が高く、ミステリートレインでのシェリー死亡報告も疑われ、撤回されると思われます。
工藤新一=江戸川コナンがついにバレる?
コナンはFILE1061(2020年10月7日発売サンデー2020年45号/100巻収録)のジンやウォッカたちがいた事件現場に出くわした際、転落死したFBI捜査官のIDを咄嗟に持ち去ってしまいました(IDはFBIの元に返却されています)
それまで組織は捜査官殺害後に身元がわかるIDを回収していたので、外国人が連続して死亡した事件としかわかっていませんでした。
しかし、コナンが出くわした事件に関しては1人は殺害され、もう1人はビルから身投げしたこと、その後通りがかった第三者が複数人転落事故後の遺体を目撃したので組織はIDの回収をしそびれています。
組織としてはそれでもいいかと考えていましたが、コナン以外の目撃者が発端と思われるFBI捜査官死亡の噂があったのにもかかわらず、関連している海猿島の火災含め、FBI本部に関与を否定されたので不審に思う可能性があります。
警察が現場でIDを回収したらFBI本部が「事実無根」として否定することは難しい。
フードで隠していたので顔は見てないとはいえ、ジンたちは子供(コナン)が現場に近づいたのを知っています。
これまでもジンたちはコナンとニアミスしているため、総合的に話を聞いたであろうラムが江戸川コナンの正体に気づく可能性があるのではないでしょうか。
→追記。
FILE1096「四角の秘密」(サンデー2022年29号/2022年6月15日発売)にてメアリーの幼児化がバレたと思われます。そのため、今後工藤新一が生きている(=幼児化している)ことに組織が気づく可能性が浮上しました。